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2019/02/10

Bench 77−パーク・ベンチの新作はいかにして可能か

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鉄パイプのパーク・ベンチばかり取り上げていて、それでは伝統的なベンチしかないのか、パーク・ベンチに新作はないのだろうか、と問われてしまうだろう。手近なところで新作らしい野外ベンチを探してみた。

 

放送大学東京文京学習センターが入っている、旧東京教育大学跡地は現在、教育の森という名称がついていて、小学校から生涯学習施設まで多彩な学習施設の集積場となっている。昨年後半から、文京区が管理する体育施設に至る公園部分で改修工事が行われていた。公園といっても、東京の中でも山手線の内側の一等地なので、それなりの費用がかかった整備が行われている。当然のように、ベンチも出来合いの定型ベンチではなく、特別にデザインが依頼されたのではないかと思わせるようなベンチが置かれるはずだと思っていた。


 

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今日はこれを見ておこうと、学習センターでの大学院ゼミが早く終わったので、学習センターの玄関を出て、すぐ右の方向にある公園の石畳の散歩道へ出てきたのだ。駅へいく道とは異なることになるのだが。

 

案の定、ここにこのベンチがあり、すでに多くの人びとが座っていた。運動部の学生たちの集団や、犬を連れた散歩姿の奥様がベンチに座っていて、なかなか写真を撮るチャンスが巡ってこないほどだった。人口密度からすれば、もっと脚数が欲しいところだが、ちょっと洒落てみました風を装うには、希少価値を強調した方が、街の雰囲気に合っているかもしれない。これは、皮肉ではないだのだが。



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写真でわかるように、このパーク・ベンチでは金属板が柱を構成している特徴があり、パイプ業者ではなく、金属板加工業者がベンチに参入してきたことを表している。金属板のデザインに特化している。おそらく、デザイナーはこの金属の板を強調するように作ったのではないかと想像させられるのだ。とくに、横に比翼のごとく伸びた肘木が全体のデザインの中でも特に目立っていて、わたしの管見でもあまり見たことがない種類のベンチとなっている。このベンチの置かれているところはかなり余裕があって、芝生が張り出してきているので心配はないのだが、もし狭いところに置かれたならば、この比翼部分がちょうど子どもの頭部分に当たるところなので、ちょっとそこが気になるところではある。



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また、座面ではアルミに樹脂が被せられているタイプの角型のパイプが使われており、丸い鉄パイプからの脱却がここでも進行されていることがわかる。このように見てくると、鉄パイプ・ベンチからの転換を試みられている、いくつかの工夫が行われている点で、見るべきものが数多くある、パーク・ベンチなのだといえるのだ。

 

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。