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2019/02/07

Bench 73−4本目の鉄パイプは何を意味するのか

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さらにまた、鉄パイプ・ベンチの話だ。そろそろ鉄パイプの方でも、アイディアが出尽くすのではないかと思われるのではあるのだが、そんなことは一切なくお構いなく、さらに次から次へと、このタイプのベンチが繰り出されてくる。今回は、4本横棒パイプ型ベンチの登場だ。

 

横浜駅は川が谷間から出てきて、その河口にできた駅で、帷子川(かたびらがわ)が流れ込んできている。このちょうど谷間の河岸段丘には、素敵な公園が形成されていて、そのひとつに「沢渡公園」がある。ときどきK大学の講義が済んだ後、散歩がてらに丘の上にあるキャンパスから、谷を越えてやってくる。この先には、いつものコーヒー豆を購入する店があるのだ。


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この沢渡公園のベンチが鉄パイプ型であり、念の入ったことに横渡しパイプが4本付いている。これまでで最高の堅牢さなのだ。3本は、ベンチの前と後ろと背板でいつもの通りなのだが、もう一本通っているところがこれまでのタイプと異なる。



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もう一本は、ここに入っている。つまり、座板と背板との間に取り付けられていて、このパイプが座板から背板へ至る木製の板を支える金属板とを接合し、さらに背板部分と鉄パイプ部分とを接いでいるのだ。つまり、この鉄パイプ構造を考えた製作者は、徹底的に鉄パイプだけで、主たる構造を完了していて、木製板は単に座り心地を向上させるためにだけ着いているということを構想した節がある。この1本のパイプが追加されたことで、このパーク・ベンチは完全に「構造という機能」と「座り心地という機能」とが分離されてしまっていると言っても良いくらいなのだ。

 

このことは、製作者による木製板への不信がそうさせたのか、それとも、純粋に製作者が鉄製への性向を持っていたからなのか、にわかには判断できないのではあるが、この4本目のパイプの過剰さには、つまり無くても良いパイプ1本にこれほどまでに執着していることを示していて、ちょっと異様なものがあるのだ。

 

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。