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2019/02/06

Bench 72−鉄パイプ・ベンチの伝統はまだまだ続く

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またまた鉄パイプ・ベンチの話題だ。この写真の鉄パイプ型ベンチは、放送大学本部がある海浜幕張駅前の藤棚下に設置されている。2本横棒パイプ型ではあるが、確かに一番上の横に渡された鉄棒には、かなりしっかりした鉄パイプが使われている。また、一緒に設けられたと思われるテーブルの脚に注目していただければわかるように、同じように脚の横に渡されたヌキも鉄パイプで作られていることがわかる。以前から注目しているのだが、なぜ鉄パイプがベンチに使われるのだろうか。


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今回、ひとつのことがわかった。それは、この2枚目の写真と3枚目の写真を比べていただければわかることだ。2枚目のベンチでは、一番上の背板が木ネジで止められて、損傷していない。ところが、3枚目の写真のベンチでは、一番上の背板がなぜか失くなっている。


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もし木製の板がこの鉄パイプと同じくらい堅牢であったならば、木製板だけで横渡しの構造を担っていただろう。ところが、この写真でわかるように、この横渡し板には鉄パイプほどの信頼を置けないのではないかという可能性が現れている。もちろん、木材の工夫次第ではこの欠陥を補うことは現在の技術では可能かもしれないが。


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ここで、鉄パイプ型ベンチでは、木製背板が先に付けられたのか、それとも、鉄パイプが先に付けられたのか、という違いが当初から問題だったのではないだろうかと、推測してみた。それで、結論から言えば、鉄パイプが先で、木製背板が後付けだったというのが、わたしの結論だ。なぜならば、もし背板が先だったとすれば、背板が取れることのない構造が発達していたはずだが、今日に至るまで、まず鉄パイプありきの構造が発達してきているのだ。これは、つまりまずは、鉄製ベンチが最初作られて、それがパイプ・ベンチを発達させてきたという歴史があったことを示している。そして、座り心地を良くするために、後付けで木製背板が取り付けられるようになったのだが、ここの鉄と木の接合が未だにうまくいかない状態が続いているのだ。これをみていると、いかに「融合」という考え方が難しいのか、ということがわかってくるのだった。最後に、極め付けの写真を掲げたい。19世紀の前半に、じつは鉄棒を使ったベンチの原型がすでに登場し、モデルが確立しているのだ。だから、恐るべきことに、すでに鉄パイプ型ベンチの伝統はじつに2百年くらい続いていることになるのだ。

 

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