« Bench 70−野外ベンチはどこから壊れるのか | トップページ | Bench 72−鉄パイプ・ベンチの伝統はまだまだ続く »

2019/02/05

Bench 71−近年のヒット作「かまどベンチ」

Img_6650

かまどベンチは、近年稀に見るヒット作だと思う。ベンチの持つ公共性・共同性という性格と、防災という現代の社会意識とが、マッチしているのだ。他の防災用品と比べて、金額が高いにもかかわらず、共同体意識を醸成する点で、大いに社会的メリットを感じさせる商品となったのだ。地域公共団体の予算化しやすい要素が多大に盛り込まれている。かなりの需要があったことを想像させる。防災訓練の炊き出しイベントにも使える。考案者は、「やった!」と思ったことだろう。


Img_6652


「大量の需要」と言っても公共のことだからそこそこであろうが、相当な発注が各メーカーにあったらしいことをwebサイトなどでみていた。そのうちどこかのパーク・ベンチとして、お目にかかれると思っていた。2月になって、ホーム図書館と勝手に思い入れているK大の図書館に籠る日々がようやくやってきた。お昼には日向のベンチでお弁当を広げる仕合せな毎日が、これからしばらく続く。


Img_6649


それで、横を見ると、このポスターが貼られていた。灯台下暗しで、今まで気がつかなかったのが、おかしいくらいだ。この大学の工学部には、防災専門家が数多いから、導入にはそれほど反対がなかったのではないかと思われる。ネジで止めてある座面部分を上へ持ち上げると、鉄製の脚ごとベンチの内側がとれ、残ったコンクリート部分が「かまど」になるという仕掛けなのだ。事あらば、単純明快な防災用品となることが書かれている。通常は、下記のかまどベンチではないタイプと外見上はそれほど変わりない。けれども、多機能として使えるのだ。


Img_6653


真面目一方なのが、防災用品の面白くないところなので、ちょっと茶化しておきたい。ひとつは、なぜ座面がアルミニュウム製の樹脂加工板なのか、ということだ。かまどベンチならば、当然災害が起こったら薪が必要となるだろう。それならば、座面を木製にして、事あらば、それを燃やすことはできないのだろうか、と思ってしまったのだ。製作者の立場に立つならば、やはり自分の作ったものの形は最後まで維持したいと考えるだろうが、薪はどうするのだといらぬ心配をしてしまう。

 

ふたつ目は、さらに過激で、脚もコンクリートにしないで、脚もそのまま燃やすことができるような、丸太にしなかったのだろうか、ということだ。椅子作家の指田さんに教えていただいたのだが、スエーデン・トーチ(スウェディッシュトーチ)というのがあって、丸太に切れ目を入れて燃やすと、そのまま「かまど」となるものがある。ベンチの脚そのものがそれぞれ「かまど」になるのだ。そうだとすれば、かまどベンチは丸太でできた木製のベンチそのものであって、一向に構わないのではなかろうか、とさえ思えてしまったのだ。

 

でも、現代はアイディア勝負の時代なのだ。丸太ベンチを防災ベンチだというよりも、現代型コンクリート・ベンチを「かまど」ベンチだという方が、インパクトがあるということなのだろう。木製にこだわる訳ではないけれども、近年の木材需要低下を考えると、どこかのメーカーが丸太ベンチを防災ベンチとして売り出さないのかなあとも思っているのだ。

 

|

« Bench 70−野外ベンチはどこから壊れるのか | トップページ | Bench 72−鉄パイプ・ベンチの伝統はまだまだ続く »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Bench 71−近年のヒット作「かまどベンチ」:

« Bench 70−野外ベンチはどこから壊れるのか | トップページ | Bench 72−鉄パイプ・ベンチの伝統はまだまだ続く »