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2018/12/09

Bench 8−注文の多い喫茶店のベンチ

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宮沢賢治の童話を思い出させてしまったら、ごめんなさい。純粋にお客さんで混んでいる喫茶店に置かれているベンチのことだ。大学院ゼミの帰り道、遅れてきたゼミOBIさんとばったり遭って、コーヒーとクリのタルトを飲食した。


店に入ってまず目に入ったのが、このベンチだ。そして、店の中の、椅子の据わっている場所に注目したのだ。小石川春日通りというかなり交通量の多いゆったりした道路に面した角のビルの一階にあるカフェだ。イタリアンが併設されている。そして、喫茶店の奥のガラスに囲まれた素敵な一角に、このベンチはぴったり収まっている。


ベンチの向かいには、椅子は置かれていない。低いテーブルだけだ。この部屋の隅っこを有効に使おうとすると、独り掛けならば何とか入るのだが、それではこの場所はもったいないと、店の方は考えたのだろう。でも、対面で二人がけはこのスペースではちょっと難しい。かといって、一人で利用させてしまうのは癪だと思ったかどうかはわからないけれども、この店がこのスペースへ過剰な注文を出したことは間違いないだろう。ベンチを入れることで、二人掛けを実現してしまっているのだ。空間の有効利用を考えたのだが、結果として、美しいベンチが入ることになったと想像される。


その注文に対して、このベンチはいかにも堂々と応えていて、ほんとうに素晴らしい。隣にある独り掛けのアーコール社のアンティーク椅子に負けないくらいの存在感を示している。ここに似合うカップルを想像しながら、ベンチへの注文の多い喫茶店を出た。

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