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2018/12/28

Bench 24–温度差のある展望台ベンチ

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今回の冬カフェは、急速に気温変化が起こり、風が冷たい空気を運んでくるなか行われた。そのためか、ベンチを見ていても、冷たいベンチと温かいベンチの差が歴然と現れる。池上本門寺隣の展望台には、これら温度差を感じさせるベンチが2種類置かれていた。

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ひとつは展望台の頂上に置かれた、耐久性を重視したと思われる御影石のベンチだ。頂上で吹きさらしの中必死に耐える姿を見て、石造りである必然性が感じられた。また、右を向けたり左を向けたりして、景色を見ることを考えたベンチの置き方も工夫している。けれども、座る道具として考えるならば、夏は灼熱の太陽に晒されて、熱くて座ることはできないだろうし、今まさにそうなのだが、冬は冷たい唐っ風にさらされて寒かろう。

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もうひとつのタイプの展望台ベンチには、座ったときの熱さや冷たさを感じさせない工夫が見られる。つまり、座面が木製なのだ。スノコ状になっていて、熱気にしても冷気にしても、逃す工夫が行われたものになっている。さらに詳細に見るならば、木製座面のベンチにも、2種類あって、座面の途中でヌキというのか、中央面を支える木の支柱が入れられているものと、支柱の入っていないものとあるのだ。おそらく、この違いも利用者からの反応を取り入れた結果なのだと想像させられるのである。

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技術者中心のベンチ制作が第1段階で行われ、そこからの反省に基づいて、利用者中心のベンチ制作が第2段階にくるという、わたしたちが追究している椅子の形態変化論の典型例を、これらの展望台ベンチ群は見せている。

 

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