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2018/12/18

Bench 15–店に似合ったウェイティング・ベンチ

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店に似合った待合椅子に出会うことはなかなかない。待合椅子だけで、シリーズができそうなほど、何かを待つときに椅子が利用されることは日常的に数多く見つけることはできるのだ。けれども、待合の多くは待っている本人が心ならずも待ち合わされているケースが多いために、不満や不機嫌の象徴として待合椅子が置かれており、座っている方々は、あまり良い顔をしていない。その状態を待合椅子も反映しているらしく、気持ちの入った待合椅子に出会うことは少ないのだ。ほんとうのことをいうならば、待っている客の心中を察して、待合椅子にこそ心を込めてもてなし、待ってもらったのち、店に入ってもらうという椅子であって当然なのだ。待合椅子は、この点で店が商品以外で、客とコミュニケーションを行う手段のはずである。もっとも、このことに気のついている店は少ないのだが、このような店に行くと言葉を交わす訳ではないのだけれど、なんとなく対話している気分になるのだ。

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もちろん、ウェイティング・ベンチは店の外に置かれるのだから、あまり高価で座り心地が良すぎても良くないのだ。あくまでも基本は店と合っているか、という基準が重要だと思われる。今回の椅子はいかがだろうか。食べ物屋さんなのだが、ビルの中の店屋に見えないほどの渋い感じと落ち着いた感じを出している。さらに、この待合椅子自体が素晴らしい。ちょっと見ると華奢で繊細すぎる長椅子のように見えるだろうが、近くに寄ってみると、木のベンチ特有の機能を数多く実現していることがわかる。一つに、軽く機動性があることだ。待つ客が増えてきたら、すっと出すことができないといけない。二つに、丈夫であることだ。外置きであるから耐久性があることはもちろんだが、構造がしっかりしている。上から見るとわかるだが、椅子の脚がしっかり座板に、ほぞと楔で止められている。また、脚の貫が入っていて、しかも四方転びという技法で作られており、安定しているのだ。細く作られているのだが、転ぶことは決してないだろう。三つに、店に似合っていることだ。このような店の料理はきっと素敵な味を出していることだろう。Img_6239

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