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2018/12/12

Bench 11−シート・ベンチは媒介する

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ホーム・ベンチを取り上げたのであれば、電車内のシート・ベンチを取り上げないわけにはいかないだろう。シート・ベンチは年寄りを座らせるためにあるなどという、福祉的互恵性を取り上げたいのではない。

 

シート・ベンチは単に人を座らせるだけではなく、もっと素敵な、動物社会の存続機能を立派に果たしている。このシート・ベンチの共通性は、ほぼ布製で覆われているという特徴があることだ。この毛羽立った布であることが重要なのだ。この毛羽立ったところに、小動物や小物体を保持していて、ここに座ったお尻に付着して、移動するのだ。家からシートへ、シートから会社へ、会社からシートへ、シートから家へと社会をぐるぐると、蜱蟎などの小動物、埃などの小物体をシート・ベンチは見事に媒介する。この媒介機能を持ったベンチとして、ベンチの中でもシート・ベンチは極めて社会性の高い位置を占めているのだ。だから、布製であることを決してやめない。それは暗黙のうちの社会性による要請があるからとしか、説明できないだろう。

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けれども、1昨年宮崎を訪れたときに、この媒介性を停止した列車に乗ったのだ。蜱蟎たちにとっては、いたたまれない社会状況であっただろうが、わたしにとっては極めて快適であった。シート・ベンチが木製と皮革製だったからだ。でも、きっとこの素敵なデザインの木の列車は、人間社会からは受け入れられるかもしれないが、小動物・小物体世界からは、ブーイングを受けること必至だ。

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