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2018/12/11

Bench 10−横向き文化と縦向き文化のホーム・ベンチ

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ステーション・ベンチの中でも、駅ホームに設けられているホーム・ベンチには、年を取ってから、かなりお世話になっている。先日の喫茶店ベンチの店で、関西在住のIさんと話していて、ホーム・ベンチには横向き文化と縦向き文化とがあることに話が及んだ。線路に沿ってホームが設置されているのだが、方向としてこの線路に沿ってベンチが設けられれば、ホーム・ベンチは線路へ向いており、ホームに対しては横向きになる。また、線路に直角にベンチが設けられれば、ホームに対しては縦向きに、人びとは座ることになる。

 

それで話していて、おおよそ関東ではホーム・ベンチは横向きに置かれ、関西ではだいたい縦向きに置かれていることが分かってきた。上の写真は、東京駅のものだ。この写真のように、ホーム・ベンチに関しては、関東は横向き文化で、関西は縦向き文化だということになる。

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もちろん、異論を唱え、反証をあげようとする方々も出ることは重々分かっている。今日も、品川でパンを買おうと途中下車すると、隣の8番線ホームと12番線ホームには写真のとおりの立派な、関西風縦向きホーム・ベンチが置かれているのを発見した。また、新橋駅でも、階段の壁に沿って、縦向き型のホーム・ベンチが置かれていることも確認している。けれども、これら以外の横浜―東京駅間では、ほとんど横向き型のホーム・ベンチだったのだ。

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問題は、なぜ関西では縦向き型ホーム・ベンチで、関東では横向き型ホーム・ベンチなのかという、その理由だ。第1に、通勤ラッシュ説がある。関西では、関東ほどの朝の通勤ラッシュは存在しないといわれている。もちろん、場所によるのだが。それでラッシュの邪魔にならないか、邪魔になるかで、縦向き・横向きが決まると考える。

 

第2に、ホームの余裕説だ。第1の説とほぼ同じ理由なのだが、ホームがいっぱいになって人が溢れる関東では、場所をあまりとらない横向き型になり、余裕がある関西では縦向き型になるというものだ。

 

第3に、関西のある駅で、線路を向いた横向きホーム・ベンチから、人が飛び込んだということが知られるようになって、縦向きになったといわれている。つまり、自殺説もある。そもそも、鉄道では電車シートの伝統がある。車内のシート・ベンチでは、短距離電車シートでは横向きで、長距離電車シートでは縦向きである傾向が見られる。これがホーム・ベンチにも影響を与えているのかもしれない。

 

これらのいくつかの説を並べてみると、やはりホーム上の余裕が、横向きなのか縦向きなのかを決定しているように思えるが、いかがだろうか。ちょっとオタク的になってきている気配はあるが、少なくとも、縦向きを設置するには、ベンチの幅が入るような幅広いホームでなくてはならないのではなかろうか。この点で、関西のホームは何となく、関東よりも余裕があるような気がするのだ。

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