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2018/01/08

ゼミ研修旅行で宇治の平等院へ行く

Img_0807 ゼミ合宿の熱が冷めやらぬうちに、論文に向かうのが良いだろう。とは思われるのだが、京都にきたからには、やはり仏様にお祈りしてから書けば、ご利益もますのではと考え、かねてより放送大学のM先生にお願いして、平等院を訪れることにしていた。Img_0806 M先生は昨年の4月から、奈良女子大から放送大学へ移って来られた。平等院塔頭の最勝院ご住職なのだ。お正月早々であったので、ご家族の方々にご迷惑ではとは考えたのだが、お話をすると、快く承諾してくださったので、ゼミの方々を連れて、午前中早々に宇治へ参拝となったのだった。

 

Img_0799 平等院の正門でM先生が出迎えてくださった。あいにくの雨がむしろ幸いして、いつもならば見学者の列がずっと並ぶところ、まだまだ少なかったのだ。正門を入って、平等院を左手に見て、まず連れて行っていただいたのが最勝院で、門がとにかく古く、紫の垂れ幕がよく似合う。Img_0798 左手に源頼政の墓があり、お不動さんのお堂が連なる。最勝院の玄関を入って、左手には苔が雨に濡れて光り輝いている中庭があり、縁側には和風のラウンドチェアが2脚おかれていて、静かな佇まいだ。奥様にご挨拶して、お茶とお団子をいただく。

 

Img_0810 平等院鳳凰堂では、あらかじめM先生が10時30分の拝観予約の切符をとってくださってあり、直ちに入堂させていただいた。鳳凰堂には、仏師「定朝」作である阿弥陀仏を中心として、雲中菩薩像52体が祀られてあり、極楽を現出させている。Img_0815 また、壁絵には、貴き人も賤しき人もそれぞれ極楽浄土へ召される図が階級ごとに描かれていているのだが、じつはどれも平等な召されかたであることを印象づけている。この壁絵を見ると、死は万人に平等であるという、平等院の名称の由来?がわかる仕組みになっているのだ。説明をお聞きしているうちに、やはり気になってくるのは、自分自身の死のイメージだ。「何もない」というイメージがこれまで占めていたのだが、「何か雲の上からやってくる」という死のイメージも悪くないことがわかる。

 

Img_0816 鳳凰堂の正面にまわる。十円玉に描かれている有名な、池に映る景色を堪能する。そして、鳳凰堂の中心に火が入ると、正面の扉に丸く開けられた穴を通じて、阿弥陀仏の顔が浮かび上がってくる仕組みに気づく。写真のシャッター音がしばし鳴り止まなかったのだ。鳳凰堂の向かって左手が宇治川の河岸段丘になっていて、その中がくり抜かれて、コンクリートで内部が固められたミュージアムが現れる。外からはまったくわからないほどの自然さだ。Img_0818 一番下に入口があって、釣鐘や雲中菩薩像を間近に見ながら、登っていくと河岸段丘の一番上にある出口に到達するように、デザインされている。印象に残ったのは、雲中菩薩像で、本堂に半分の26体があり、このミュージアムに残りの26体がある。この中で、死の行列のイメージの中でも、真っ先に現れる菩薩をじっくりと瞼に焼き付けたのだった。

 

Img_0820 これらの雲中菩薩像は、定朝の工房が制作に当たったらしい。発想からすると唐突ではあるのだが、工房製作の利点は、画一性よりも多様性だと思う。Img_0851 52体もの菩薩像を作り分けなければならない。一人で彫刻するならば、同じパターンになってしまうだろう。けれども、複数の弟子たちが腕を競い合って製作しており、その多様な像に自分を象徴するものを投影するものが必ず見つかると思わせるものがあるのだ。

 

Img_0850 M先生と奥様にお礼とご挨拶をして、門前に並ぶお茶屋さんの一つ、中村藤吉にて食事。宇治川に面していて、雨で増水しだくだくと乱れた流れを見ながら、鰊茶そばとスイーツをいただく。裏門から出ると、宇治川の沿岸沿いの歩道に出る。Img_0841 この土手道に沿って、平等院と宇治川の中間に民家が一列に並んでいるのだが、昔はおそらく平等院から直接宇治川を望むことができたのだろう。その一軒が和風に改装されて、今は珈琲店スターバックスとなっている。昔はさる方に囲われたひと(女)の住まいだったそうだ。

 

Img_0845 宇治川の奥の方に煙って観える悠久なる眺望を楽しみながら、朱色の橋を渡る。観光客がちらほらして、源氏物語の宇治十帖の舞台があちこちに現れる。宇治にあるもう一つの世界遺産である宇治上神社と宇治神社が道なりに出現する。Img_0855 ゼミの方々は、仏ばかりか神様にまでお願いしたからには、ずいぶんと霊験あらたかな論文が出来上がるのだろう。わたしの原稿についても、決して神まかせにするつもりではないのだが、ついでに成就祈願を行った次第だ。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。