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2017/08/22

O先生と松本カフェだ

Img_8061 天気が不安定で、大雨の予報が出ている、かと思えば、次の時間には、晴れ間が出ると言っている。こちらは31度の晴れだが、横浜からは雷雨の知らせが届く。などという日ごと時間ごとに変わる天候の今夏だ。そんな状態なので、今日一日の天気が気になって、朝5時には目が覚めてしまう。

 

Img_8062 O先生と、恒例の夏カフェの始まりだ。大糸線で松本へ出るが、なんとこちら松本では日傘を必要とする真夏日だった。O先生とは、朝10時にリッチモンドホテルで待ち合わせたのだが、もう少しゆったりしたいと連絡が入り、11時に変更する。浮いた時間で、駅から直接に、ブックカフェの「栞日」へ行き、近くにできた「Sioribi INN」へ入る。Img_8076 ここは、昨年、Crowd-fundingで栞日のご主人が資金を集め、長期滞在型の宿を開いたところだ。わたしもほんのわずかながら、このFundingに応募したのだ。床板の1枚くらいの貢献をした。実際どのようなINNになったのか、泊まってみようということになった。Img_8080 近頃はやりのゲストハウスとは、まったく異なる作りだ。何しろ、ほぼビル全体を一人の客に貸し出してしまうという鷹揚さなのだ。正確に言えば、1階にはキッチンが入っているので、2階から4階が自由に使える仕組みだ。

 

Img_8088 2階がダイニング、3階が仕事場、4階が寝室となっていて、それぞれ一人用にはかなり贅沢な空間を確保できるのだ。この文章も3階のスペースで書いている。Img_8094_2 4階の窓からは、美ヶ原高原がNHKの鉄塔越しにのぞまれるし、反対側には、北アルプスの峰々が連なっている。ビルの前が松本市の幹線道路「あがたの森通り」なので、ちょっと自動車の音がうるさいが、朝夕の涼しさで、それも帳消しだ。さっそく、近くの焙煎豆の店ローラのコーヒーを淹れる。

Img_8038 Img_8036






 

Img_8096 荷物を置いて、次に中町通りある、いつもの工芸店「グレイン・ノート」へ向かう。奥様が風通しの良い奥の座席に腰掛けていて、涼やかな挨拶を返してくださった。今年の春から、椅子作家たちへのヒアリングをグレインノートのご主人S氏と奥様とわたしで共同企画している。Img_8098 ヒアリングした原稿を郵送して置いたので、その様子をお聞きし、残りの作家たちへのヒアリングの可能性を探った。というと、何か大袈裟な感じだが、雑談の中で、面白かったところをあげていただいているのだ。たとえば、椅子を作っていると、「頭いっちゃって」などという、製作者本能が率直に出てくるフレーズがたくさん出てくるのだ。

 

Img_8056 ホテルに着くと、ゆっくりとO先生が降りてきた。日頃のご無沙汰という感じはブログを見ているのであまりないのだが、それでもほんものの挨拶を交わすのはまた格別だ。そこまでは良かったのが、外へ出た途端に、直感的に今日の外歩きは無理だと、二人とも悟ったのだった。Img_8046 日差しがわたしたちをつねに日陰に追いやるほどだ。標高が500メートルほどあるので、それだけ太陽に近いというのが松本なのだ。それで、当初のカフェ巡りでは、いくつかのカフェを候補に挙げていたのだが、距離のあるものはほとんど諦め、近いところだけ回ることにした。

 

Img_8045 まずは、喫茶店「チーアン」でランチ。キッシュ・プレートで、野菜たっぷりの健康昼食を摂る。たいがい、健康問題から日常の会話は始まるものだ。わたしの体重を聞かれ、彼の予想が付されていた。見た目より体重が多いですね、ということになった。それで、さらに話していると、背は彼のほうが低いにもかかわらず、体重はわたしより6キロも多いことが判明した。Img_8052 彼は日頃ジムで鍛えていて、見た目より筋肉質であることを強調なさっていた。そうかもしれない。でも、昼食が済んで、その後さらにカステラを追加して注文なさっていたのだった。チーアン特製の美味なるカステラなので、仕方ないところではあるのだが。

 

Img_8054 現在の彼との共通点は、お互いヒアリングを抱えていることだ。上記のように、わたしは椅子作家のヒアリングをここ数年行っている。彼のブログを見ればすぐわかることだが、彼はゼミあるいはゼミ周辺の卒業生たちと会食・喫茶さらにはスイーツ三昧を行なっている。羨ましいからいうのではないが、アラサー・アラフォーの女性への連日のヒアリングをこなしている。Img_8068 ほんとうは、ヒアリングというと語弊があるのだが、でもこだわらずに大雑把に言えば、ヒアリングだと思う。親子の会話でもないし、友人同士の会話でもない。ライフコース論の専門家であるO先生がなんらかの意図のもとに、卒業生たちとの付き合いをしていることは確かだ。一番近い、公正な言い方をするならば、ヒアリングだ。

 

Img_8070 面白かったのは、ヒアリング相手のアラサー・アラフォーの方々にある種の系統が見られることだ。O先生は個人的な情報を漏らすことはしない方だが、ブログを見ている方々にはうすうす気づかれていることだ。まずは、有名W大卒業生なので、どうしても猛烈仕事人タイプは何人か見られる。この方々が就職し結婚するにしたがって、どうしてもその性格ができてしまうものらしい。じつにたくましい。Img_8118 次に見られるのが、表立っては、良妻賢母を表に表すタイプはいないのだけれども、潜在的な良妻賢母タイプはわずかだが見られる。けれども、現代では、良妻賢母が終わった後のことは、誰にもわからない。彼の卒業生にもまだアラフィフはいらっしゃらないのだ。Img_8117 それから、意外なことには、東京にとどまらず、地方へUターンして、地方公務員・地方優良企業勤めの方々がいて、極めて安定し、ゆったりと生活している方がたも多いということがわかる。この辺までは、常識的なのだが、話題になったのは、彼の卒業生には、いわゆる変わり種タイプがかなりの比率で存在するということだ。誰がとは言わないが、芸術家もいるし、海外留学派もいる。どうしても、彼女たちはブログの中でも目立ってしまうように、わたしには見える。O先生はニコニコして、そうですか、などとまだまだ断定を避けているのだった。

 

Img_8122 この後、またグレインノートへ戻って、いつもの田中一光さん制作の陶器を二人で「物色」する。彼は、彼の以前から持っている色調のうすいブルーのごはん茶碗を選択し、わたしはこれも以前から集めている、濃紺色の中皿を2枚求めた。Img_8123 そしてその後は、また結局のところ、またまた栞日に戻ってきて、書架の並んだスタジオ風の空間の中で、ゆったりと雑談に興じたのだった。このころには、大粒の雨が嵐のごとく降り出したのだった。

 

Img_8113 じつは先日盛岡出張の折に、喫茶店「Carta」で購入したCD「ワルツ」のピアノソロ奏者「ヘニング・シュミット」のCDがこの栞日にも並んでいて、しかも十月にはこの場所でやはりソロ演奏会が開かれるというのだった。Img_8114 このようなブックカフェを中心にして、今日本中で、かなりの口コミ系のCDが流行っているという現実に遭ったのだった。でも、仕事中に、この音楽を流していると、仕事本能が集中して出てくるような雰囲気になるから不思議なのだ。環境音楽の手作り版という感じなのだろう。

 

Img_8132 O先生とのカフェの付き合い時間の最長記録を更新したようだ。夕ご飯を彼の予約でフランス料理の「ルコトリ」で食べる。このころになると、雑談の内容も濃密になってきて、親密な関係やら、外に聞かれるとちょっとまずい関係などになってくるので、俄然食事も進むことになる。今晩は、わたしたちだけが独占してこの店の席をしめたようなので、ここでも気のおけない話題が続いたのだった。Img_8140 最後は古本ブックカフェの「想雲堂」で喫茶した。結局、O先生は連日同じ喫茶店を2、3回回ることになるのだ。それが今回の松本カフェであったようだ。Img_8145 日常性研究が彼の専門だとはいえ、このような繰り返しの中にバリエーションを発見する能力を発達させなければならないということだろうか。その意味では、彼との会話を通じてわかるのであるが、彼の日常性開拓能力には脱帽するところがあるのだ。Img_8155 Img_8144

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。