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2017/07/15

夏季合宿始まる

Img_4282 今夏の放送大学本部キャンパスには、いつもより学生が多いと感じる。期末試験が近いからなのか、それとも、夏休みの泊まり込みでの図書館通いの学生が多いからなのか、原因はわからないのだが、セミナーハウスはいっぱいで予約も難しいくらいだ。大きな荷物を持って、朝早くにセミナーハウスから図書館へ移動する学生も見たし、会社帰りに自転車で図書館に駆けつける学生も多く見たのだ。いつもは、テレビ・ラジオでしか接しない学生が、この時期だけ、キャンパスにどっと現れて、顔を見せてくれるのはこちらにとっては楽しい。

 

会場についても予約が立て込んでいて、セミナーハウスの研修室をいつもは使うのだが、今回は早々と数ヶ月前に同好会に先を越されてしまったのだ。それで、次善の策として、本部の最上階にあるラウンジを使うことにする。千葉の港から東京湾方面をのぞむ、眺めの良い部屋での合宿となった。

 

今回目立ったのは、当初の問題意識が薄れてきているのではないか、という点だった。M2の方々は、そろそろ1年半に渡って、同じテーマを追究してきているのだが、一通りの作業が済んで、安心してしまったのか、何となく平均的に鋭さが抜けてしまっている。一つの理由は、「時間」だ。時間が迫ってきてしまうと、これまでせっかく努力してきたことを捨ててしまって、小さくまとまろうとしてしまうのだ。もう一つの理由は、「存在拘束性」とでもいうものかもしれない。どうしても、自分の身の回りや仕事との関係を過剰に意識してしまって、発想が育たないことがあるのだと思われる。

 

職業意識が言葉に現れるのは、仕方ないとしても、思考方法にまで及んでしまうと、それはどうかと思ってしまう。表面的なことならば、それは指摘できるのだ。たとえば役所務めの人でよく出てくるのは、質問されて、つい「お答えします」というのは、むしろ「存在拘束性」のご愛嬌だと思う。けれども、思考内容にまで影響のあるような質問のときに、答えることが難しいことがあり、そのときにどのような受けごたえができるのかが、ゼミでは問われるのだと思われる。率直に言えば、存在拘束されていることを自覚している人と、そうでない人との差が受けごたえに出てしまうのだ。結局のところ、ここの表現の違いを会得することが、社会人大学としての放送大学の醍醐味だと思うのだ。

 

いつものように、懇親会は近くの中国料理の「ホイトウ」にて行った。今年も、一般客と一緒だったので、挨拶などは幹事の配慮で、一番最後に回し、貸切状態になってから、盛り上がった。わたしの挨拶は、すでにゼミで3回も行っているので、一般的なことは述べなかった。ここではとくに、林先生が4月の終わりに亡くなったことを取り上げさせていただいた。生前のゼミでは、「おもろいこと」が重要だ、と論文の目指す指標を掲げていらっしゃっていたことを思い出して、それを挨拶の中で復活させたのだった。もちろん、「おもろいこと」は読んでおもろいことも重要なのだが、今回強調したのは、書く本人が「おもろい」と思って書かないと、意味がない、という論調となった。うまく伝わっていれば良いと思うのだが。

 

 

じつは挨拶に紛れ込ませて、今度出版されるわたしの放送大学叢書『貨幣・勤労・代理人』の宣伝もおこなってしまったのだ。酒の席だったので、みんなに良く聞こえなかったということで、幹事が気を利かせて、後でも強調させてもらった。良く気のつく幹事を持てて、仕合わせだったのだ。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。