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2017/01/08

京都御所の隣、新島会館でゼミを開催する

Img_5747 宿を京都の四条にとっていたので、寺町通りへ出て、ひたすら北へ上っていく。京都市役所の横を抜け、喫茶店エイトの前を通り、二条通りを超えると、左に三月書房があり、右に明日行こうと考えている民芸品店がある。Img_5748 これらを眺めながら、御所の南へ出た。そこからすぐのところに、新島襄・八重の旧宅に隣接して、今日のゼミが開かれる新島会館があるのだ。着くとすでに5名の方々が準備を行なっていて、程なくみんな到着して、総勢20数名のゼミ開催となったのだ。

 

Img_5744 大学の外でゼミを開くことに、わたしはずいぶんと、これまでこだわってきた。毎月開かれるゼミは、日常的な作業の報告に費やされて、それをチェックするだけで精一杯だ。ところが、一歩外へ出てゼミを開くと、非日常的な発表を行わなければならない、という心境になってくれる。発表するという意識が表に出て、他者を説得しなければならないという要素が濃厚になる。通常のゼミでは時間制限がないような議論ができたのであるが、外でのゼミでは20分ぴったりで終えなければならないので、表現が絞まる必然性が出てくるのだ。Img_5737 それで、これまでと違った発表を行うことになる。先生がたや先輩たちが聞いていることに対する緊張感も重要だ。ちょうどM1の人びとが先行研究の整理を終え、M2へ進み、論文を書く体制への転換期になっていることも関係して、外に出てのゼミの効果がちょうど出てくるのだと思われる。

 

Img_5752 今回の冬季ゼミのテーマは、論文の中核となる部分を発表するということになっていたので、ゼミではかなり本質的なところが出てきていたと思う。昨日と同様、参加学生以外に、I先生、S先生、A先生、それから今日だけ参加のS先生に加えて、OBのY先生、Hさん、Yさん、Fさんの8名参加し、さらにM2のAさんともうひとりのAさんも議論に加わってくださった。したがって、M2の方々2名の報告(成年後見制度論とセカンドキャリア論)を含めて、12本の発表が行われた。相変わらずの多彩なテーマが並んだのだ。

 

ナチス政権と民主主義体制

地域の変容と公的・民間セクターの役割

中国の対日経済交流と政経分離

スローシティとまちづくり

日本の社会政策と労働

地方圏学生の地元志向

地域とソーシャルキャピタルの育成

総合交通体系と民間航空の役割

地域の生活時間と余暇活動

宗教における社会貢献活動

 

Img_5739 今後、今日発表した論文の「山場」となる議論を中心として、順調に肉付けを行なっていってほしいと願った次第だ。最後のあいさつでは、先生がたの指摘はいつもながら鋭かったし、最後に聞いた参加者の同期の方々への反省の言葉も容赦なかったので、参加した皆さんの心の中には、かなりの蓄積物がお土産として止まったことだと思われる。この辛口の応酬にめげず、それを糧として、後半戦でも頑張っていただきたい。

 

Img_5759 さて、程よい時間になったので、懇親会の開かれる料理屋チェーンの店へ行く。歩いて、10分程度だ。あいにく雨が降ってきた。目的の場所は、京都の繁華街である木屋町を流れる高瀬川の源流の場所だ。江戸時代の豪商角倉了以の旧邸があったところで、さらに明治時代には、山縣有朋が第二無鄰菴を構えていたところである。Img_5763 あちこちに、石の標べが立っているので、それと知らされる。庭を鴨川から取水した水路が通っていて、それが高瀬川へ流れ込んでいる。それを利用した日本庭園が作られている。庭の起伏は意外に激しくて、池が作られているように見えるのだが、これが流れているのが特徴で、むしろ川が通っているという印象なのだ。取水を利用した庭の典型例だと思われる。


Img_5769_2

Img_5779 懇親会なので、非公式なおしゃべりが主体になるのだが、真面目な方は、昼間の議論を思い出して、さらに突っ込んだ議論を繰り広げている方々もいらっしゃって、多彩な懇親会となった。    わたしもいくつかの相談を受けることになったのだが、すでに料理が回り、お酒も十分に入っていたので、相談への対応がきちんとできたのかは、少し心配になる。Img_5783 本当のところ、懇親会もゼミの重要な一貫と考えているので、真面目な相談も歓迎したいところだ。懇親会の幹事のOさんとTさんと教育支援者のKさんには、たいへんご面倒をかけたが、おかげさまで会はたいへん盛況だった。Img_5786 Img_5785 Img_5784

 

Img_5794_2 二次会は、この店の料亭風の門を出て、高瀬川沿いに十数メートル下ったところにあるカフェへ入って行うことになった。この店は、友人のK君が存命中によく一緒に来て議論した場所でたいへん懐かしい。Img_5795 店のオーナーは変わってしまったけれど、たっぷりしたコーヒー碗があって、チョコレートケーキを一緒に取ったのだ。ゼミOBYさんは、昨日の夜行バスできて、朝の京都タワーで風呂を浴び、今日も夜行バスで東京に帰るのだそうだ。Img_5799 このような行動ができるのであれば、京都合宿もそれほど重荷ではない。彼はバスの時刻まで、時間を潰す必要があるとのことだった。雑談の内容は、最近よく話題になる「働き方」の話になって、10時を過ぎるまで議論が続いた。外でのゼミの効用は、夜がたっぷり使えるというところにもあるのだ。


Img_5809_2 宿への帰り道、麩屋町辺りに画廊やギャラリーが並んでいて、麩屋町ギャラリーのいつものオランダタイルも素敵だったけれども、現代画家のギャラリーのゼロ年代世代作家のものも、かなり目立ったのだ。数百万円の値段付きで飾られていた。今の心境は議論をしてスッキリしていたからこのようなものではなかったけれども、今日の天気はこのような感じの空模様だったので、掲げておくことにしよう。



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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。