« 子ども椅子展のヒアリング | トップページ | 山形学習センターの面接授業の第1日目 »

2016/06/17

面接授業の季節が巡ってきた

Img_0901_1 今年も面接授業のシーズンが巡ってきた。毎年、6月には地域の学習センターの面接授業に出かけることにしている。土日に集中するので、4月と5月にはゼミをスタートさせ、7月には学期末試験が控えていて、やはり6月に集中することになる。たぶん他の先生方も同じことを考えるから、自然に6月は面接授業の季節となる。自然の調整とは恐ろしいものだ。

まずは、山形からスタートだ。K大学での講義を終えて、横浜で買い物を済まし、東京駅の混雑したお弁当売り場で、ヒレカツ弁当を購入して、夕方の山形新幹線つばさ号へ飛び乗った。山形駅へは、9時前に着いた。宿泊先へ荷物を置いて間もなく、さっそく恒例の出張先の映画鑑賞に繰り出した。山形市には、駅から程よい距離のところに名画座系の映画館「フォーラム」がある。映画「マネーモンスター」の最終回にようやく間に合ったのだ。

Img_0934 俳優がG・クルーニー、J・ロバーツ、さらに監督がJ・フォスターであれば、出資のSONYも文句は言わないだろう。物語は、クルーニー扮する株専門キャスターがテレビの生番組放映中に、番組ジャックされて、デレクター役のロバーツとともに、物語があらぬ方向へ進んでいき、最後は原因となった株価暴落企業の秘密が暴かれるというものだ。

Img_0935 近年、ハリウッド映画は、金融ものというジャンルを打ち立ててきている。なぜ株価が上下するのかということについては、いろいろの要因が絡み合っていて、一筋縄ではいかない。だから今回もリーマンショックを上回る複雑な要因が存在していて、見事に説明をしてくれるのだと思っていたが、この映画では多少不満が残るかもしれない。何か秘密で重要なことがあると思われるからには、その内容はもっと重要な要因でなければならないのだが、この映画では古典的な詐欺事件に堕してしまっていて、ちょっとつまらない気がする。

Img_0902 つまり、「マネーモンスター」という割には、貨幣の「信用」という本質的なもののところでモンスターが生まれるのではなく、人間の欲望のような本来の物語でのモンスターであって、題名に偽りアリというところが残念なのだ。けれども、ドラマ自体は面白いし、クルーニーもロバーツの演技も慣れたものであって、娯楽作品としてはとても楽しめるものとなっている。

スタジオがジャックされるときの、この映画の道具が気になった。爆弾テロで自爆・他爆する時、スイッチから手を離すと、爆弾が炸裂するという仕掛けが、よく使われる。今回もこれだ。スイッチを押すと爆発するのと、スイッチを離すと爆発するのとの違いがあるのだ。スイッチを押す人、押している人を倒せば、前者は爆発から免れるが、後者は倒されると爆発が生ずることになり、ここに違いがあることがわかる。このセットした時からいつ倒されるのか、スイッチを押している人からスイッチをいつ離すことができるのか、このズレの時がドラマの中核に当たる時間なのだ。この不安定さが映画の虚構性を成立させている。映画の筋に緊張感を与えておいて、それを本筋にして、そこに幾つかのエピソードを付け加えていく。この映画でも、このスリリングな状態が効果的に使われていたと思う。

Img_0916 もう一つ、面白いシーンがあった。スタジオ・ジャックされた理由の一つが、犯人の投資資金を株価下落で損させてしまったということにあるのだが、それを逆手にとって、それでは株価を上げるように、クルーニー演じる司会者はリアルタイムで、テレビを見ている投資家たちへ呼びかける。みんながこの株へ投資すれば、株価が上がって、犯人の損失を取り戻すことができるかもしれない、という賭けを行うのだが、そして自らの命も助かるかもしれないのだが、お涙頂戴で人道的に投資する人がいるか否か、というアメリカ資本主義の本質を抉り出すようなシーンだ。Img_0906 結果は、観ての楽しみだが、このようなシナリオをちょっと入れることができるのが、ハリウッドの隠れた魅力の一つだと思う。自己批判ができるとしたら、このような方法が、最も映画では適していると思われたのだった。

さて、気分を入れ替えて、明日からの面接授業に備えて、熟睡することにしよう。お休みなさい。

« 子ども椅子展のヒアリング | トップページ | 山形学習センターの面接授業の第1日目 »

旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/173786/63848538

この記事へのトラックバック一覧です: 面接授業の季節が巡ってきた:

« 子ども椅子展のヒアリング | トップページ | 山形学習センターの面接授業の第1日目 »

社会経営研究配布中

  • 2015study

社会経営ジャーナル配布中

  • 2015journal

開いている講義    「社会的協力論」

  • cooperation

「音を追究する」第13回・第14回

  • art

「多様なキャリアを考える」第2回・第3回・第4回

  • cooperation

「グローバル化と私たちの社会」第11回

  • cooperation
2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

Recommend

プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。