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2016/04/02

博士後期課程のオリエンテーションと「特論」

Img_3924 大学正面と図書館横の桜がきれいだ。新学期になって、オリエンテーションが午前中に終わって、午後から博士後期課程の授業というのか、あるいは共同ゼミというのか、「特論」と呼んでいる演習が始まった。このような形式で、先生方が全員揃って授業を運営する演習は、わたしたちの大学院時代では、到底考えられなかったことだろう。

Img_3920 なぜならば、先生がた十数人一箇所に集まるというのは、教授会や行事や会議ではありえても、授業では「個人商店」だと考えられていて、一堂に会すことはないからだ。しかも、みんな忙しい方々なので、4日間も一日中出席するのは日程調整だけでも大変だからだ。

一人の先生が一つの講義を行う場合と、十人の先生が同時に一つの講義を行う場合とを比べてみれば、その違いがわかるだろう。Img_3919 前者は通常の授業であるのだが、同じ90分しゃべるにしても、後者では、同時に十人分の負担がかかってしまっているのだ。経営として考えれば、これは明らかなのだが、労働生産性が一挙に十分の一になってしまう状態が起こっているということだ。もしこれが効率を優先しなければならない企業であったならば、到底許されるような状態ではないだろう。

Img_3926 けれども、大学は営利企業ではないので、たとえ生産性が十分の一に下がろうとも、同時に十数人の先生がたを投入しようとも、教育を熱心に行うミッションのもとにおいて、ためらうことなく労力を傾注するのだ。教育上の生産性は経済的には測ることができないという真実には揺るぎないものがある。もっとも他方において、確実に先生がたの負担は増えていることも事実なのだが。

Img_3921 博士新入生の方がたは、どのような感想を持ったのか、知りたいところだ。それぞれの担当の先生方が、新書版1冊あるいは単行本1冊くらいのエッセンスとボリュウムある内容の話を語ってくださるので、面白くないわけはないだろうと勝手に思っている。

Img_3922 たとえば、M先生は、戦中世代と戦後世代との違いが現れる統計データを示して、戦争の影響が生活のどのような点に現れるのかを印象的に話してくださった。K先生はなぜブータン研究を行うようになったのかについて、体験・経験を話してくださった。さらに、途中でH先生が天皇・皇后論の深奥を語ってくださった。なぜ時の皇后がその時々政治の舞台に立ち現れて来るのだろうか、といった疑問を提起して解読してくださった。さらに、T先生はオバマ政権は何を行ったのか、というホットな話題をわかりやすく話してくださった。

Img_3927 夢の国に浸ったようにも思えるし、どういう理由かわからないのだが、あたかも楽しい紙芝居が次から次へ展開していくような場面のようでもあるのだ。このようにして、めくるめく大学講義の展開が始まったのだった。さて、これで前半が終了したのであるが、最終的には、博士新入生の方がたがどのような意見や考えをレポートに書きつけて、それを送ってくるのか、たいへん楽しみなのだ。Img_3938

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。