« 真田時代の用水を見る | トップページ | 博士後期課程のオリエンテーションと「特論」 »

2016/03/26

式とパーティとゼミ会と

Img_3834 この道は、毎年1回通る道だ。副都心線の渋谷駅を降り、宇田川町を横切り、山手教会の前からパルコへの坂道を登る。すると、左側にコーヒーショップが何軒か並んでいる。Img_3833 半世紀ほど前には、わたしも中学生で、この道筋にあったジロー渋谷店の前を通って、渋谷公会堂のコンサートへ通ったのだが、ここはその道だ。渋谷公会堂も、おそらく老朽化したのが原因だろうが、大規模な工事に入っていた。 卒業・修了式の前に、この道筋の1軒のコーヒーショップへ寄って、薄い珈琲をたっぷりしたマグカップで飲むことにしている。Img_3835 朝の新聞を読みながら、土曜の朝をゆったりと過ごす男性や女性がいて、みんな一人で珈琲を飲んでいる静かな店だ。

Img_3843 式会場のNHKホールへ到着する。玄関ホールの日当たりの良い場所に、いつも放送大学叢書の販売・展示コーナーが設けられており、今日も叢書編集を担当なさっている左右社のK氏とT氏が営業でいらっしゃっていたので、挨拶をする。Img_3848 そして、もうこのような光景を何回も見ることがないだろうな、とちょっと個人的な感傷に浸って玄関ホール上の階段に佇んでいたら、1985年の神奈川学習センター設立当初時代に話したことがあるという学生、四月から他大学の職員として出向するのだという修士修了生など、何人かの学生の方に話かけられたのだった。

Img_3850 卒業・修了式は滞りなく、スイスイと進行して、最後は校歌を会場全員で斉唱して、演壇は暗転となった。会場を品川プリンスホテルへ移して、懇親会パーティが始まる。移動ばかりしていて、人と人を結ぶような時間があるのか、と思われがちなのだが、至るところで止まる場所と時間が用意されているのだ。Img_3854 じつは会場の移動には貸切バスが使われており、その時の隣にお座りになる方との語らいは楽しい。今年は沖縄学習センターのセンター所長のT先生と話す機会を得た。脳科学と心理学が専門の先生で、参考にしたくなるような新しい知見を教えていただいた。

Img_3865_2 式の前から予想をしていたのだが、今年のゼミの修士修了生は結束が固く、一つのテーブルをゼミで占めてしまった。例年おしゃべりに夢中で、多く食べることができなかったのだが、今年はM氏たちが立食ビュフェのご馳走をたくさん運んできてくださったのだった。Img_3866 それで、お腹の方はすぐに満足されたので、今年復活した日本各県の銘酒コーナーへたびたび出かけて行って、各地の珍しい酒を十分に堪能したのだった。このコーナーは社会人大学らしい特色を持っていると思うのだ。Img_3857 日本全国に学習センターを持つ放送大学の地域特性を、味覚的・視覚的に強調していて、楽しむことができる。お手伝いいただいた弘明寺商店街のK酒店のご主人をはじめとして、神奈川学習センターの所長K先生や学生の方がたに感謝したい。どうやら、数学のK先生とわたしが、とくに多く、このコーナーに来ているらしいのだ。

Img_3856 ここは他の先生方も立ち寄る場所となっているので、日頃話すことができない他コースの先生と懇談できるというメリットがある。N先生やO先生やI先生やK先生やM先生にそれぞれ相談を受けていただいたり、また雑談したりしてインフォーマルの場としても、うまく機能しているのではないかと思われたのだった。また、今年度が最後だという、転勤する放送大学職員の方がたにも、声をかけていただき、一緒に写真に収まったのだ。

Img_3858 懇親会では、退任なさる先生方の紹介が行われた。退職の先生方は、学習センター所長の先生方も入れると、今年は14名いらっしゃる。わたしの所属する「社会と産業」からはM先生とD先生が退任なさる。先日群馬で送別会は済ませたのだが、M先生には改めてお別れを申し上げた。退任の先生方を代表して、日本中世史がご専門のG先生がスピーチを行って、その中で日本全国の各県での面接授業を制覇なさったとのことだった。Img_3871 先日お会いしたI先生もあと1年ぐらいで全国制覇だとおっしゃっており、じつはわたしも再来年辺りにはようやく全国制覇を遂げることになる。考えてみれば、各県ごとに、11時間ほどの講義を多くの先生方が行っている大学というのは珍しいだろう。Img_3877 もっとも、テレビとラジオではすでに「全国制覇」は放送大学の先生方みんなが果たしているのだが。今後、若手の先生方の多くは毎年2箇所のノルマがあるので、わたし以降年齢さえ積めば、おそらく続々と全国制覇する先生方が出てくるものと思われる。

Img_3872 今回は、さらにわたしのゼミのみんなが拠点としていたテーブルからたびたび離れて、他のテーブルでの歓談も大いに楽しむことができた。とりわけ印象に残っている何人かを覚えている。車椅子で参加されていた女性の方は、わたしの担当した授業科目「社会の中の芸術」を取ったとおっしゃっていて、中でもワインの話を憶えていてくださって、そして、その後東京でも甲州ワインの買える店を実際に探したそうだ。思い入れをそれほどしていただけたとは、しゃべった者として有り難い限りだ。

Img_3873 また、先生方が学生のことを観察するのは、論文指導の過程ではどの大学でも普通にあることなのだが、この大学ではむしろ学生の方が先生をじっくりと観察しているから要注意だ。他のプログラムの修士を修了したという女性の方がやってきて、指導に当たった先生方の様子を聞かせてくださって、たいへん興味深かった。ふむふむ、あの先生はそうなのか。

Img_3882 最後に、クロークに預けた荷物を取るために並んでいたら、すぐ後ろの学生の方が、わたしの1990年代に担当していた授業科目「家庭の経済」を受講したとおっしゃったのだ。放送大学に入って最初に受講した科目だったそうだ。それで、内容が少し変わっていたので、印象深かったとのことだ。そういえば、当時もこの科目は、家庭を扱っているのだが、ちょっと異なる印象を受けたと言われたことが多かったのを思い出した。まったくのところ、20数年前の科目を覚えてくださっていて、たいへんありがたかったのだ。

Img_3883 パーティも終わりに近づき、ゼミの面々がこの後ゼミ会を開催したいということで、隣のグースホテルのティールームへ行く。やはり土曜日は満杯で、ちょっと待たされたが、待った甲斐のあるゆったりとした五人掛けのソファーの席に案内してくれたので、ケーキとコーヒーをいだだきながらゆったりとしたのだった。放送大学大学院を修了する感想を全員の方が述べてくださった。Img_3881 でも、やはり話題の中心は、いかにして修士論文を書いたのか、ということだった。Mさんが中心となって、同期の方には、必ず全員の人が修士論文を提出するようにという圧力がかかっていたらしい。その恩恵もあって、今年度は珍しく一人も脱落することなく、最後には全員が2年間で修士論文を提出したのだった。集団というものは、恐ろしいものだ、と良い意味で思ったのだった。

Img_3885 名残惜しかったが、新幹線に乗らなければならない方もいらっしゃるので、品川駅で解散となった。いつもながら、第二論文を書くことを待っています、とみんなに別れの言葉を伝えたのだった。最後になってしまったが、遠隔地に住んでいる、あるいは仕事や転勤で出席できない、ゼミの卒業生・修了生の方がたにも、おめでとうと伝えておきたい。おそらく一年のうちで最も多くの人びとと、社交を楽しんだことになる、特別な一日が終わったのだ。

« 真田時代の用水を見る | トップページ | 博士後期課程のオリエンテーションと「特論」 »

大学関係」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/173786/63413814

この記事へのトラックバック一覧です: 式とパーティとゼミ会と:

« 真田時代の用水を見る | トップページ | 博士後期課程のオリエンテーションと「特論」 »

社会経営研究配布中

  • 2015study

社会経営ジャーナル配布中

  • 2015journal

開いている講義    「社会的協力論」

  • cooperation

「音を追究する」第13回・第14回

  • art

「多様なキャリアを考える」第2回・第3回・第4回

  • cooperation

「グローバル化と私たちの社会」第11回

  • cooperation
2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
無料ブログはココログ

Recommend

プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。