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2016/01/26

神奈川学習センターでの試験監督

定期試験の季節になった。このところの冷え込みが激しくて、家にいても身体じゅうのいたるところに筋肉痛が出る。たぶん、老人性の何かだと思うのだが、やはり運動不足が一番効いてきている。身体がガタピシ言っている。それで、仕事というのは身体にとってはありがたいもので、学生の方々には申し訳ないが、運動不足解消に神奈川学習センターへ出向いて、今日は試験監督の1日だ。

監督というのは、試験場に入ってしまうと、本を読んだり論文を書いたりしてはいけないので、ほんとうにちょっとの余裕もないほどに、退屈で暇なのだ。数人のチームで監督しているので、逸脱した行為は一切できない。

G先生はここ数年間、町田のブランチ会場の監督長を行っていて、長がつくと、試験場には出ないので、1日自分の部屋で、十分にエッセイは書けたのだとおっしゃる。けれども、現在は神奈川学習センターで、わたしたちと同様に試験監督として、会場に立たなければならないので、エッセイは書けないと嘆いていらっしゃった。監督業にも、いろいろあるのだ。

それで、監督に立つと、暇に任せて、想像力の世界に漂うか、あるいは、目の前の現実の世界を観察するのか、のどちらかになる。学生の方を観察すると、放送大学らしさというものがよくわかるのだ。たとえば、このような光景は他の大学ではたぶん見られないと思われる。これまでにも、何回か話題にしてきたと思う。解答には鉛筆が使われるのだが、どうしても消しゴムを使わざるを得なくなり、当然のように消しクズが大量に出るのだ。それで、消しクズをどうするのか、を見ていたら、多くの学生は机の上の消しクズを処分してから、席を立つのだ。丁寧な人は自分で消しクズを持って帰る人もいる。ここまでは、これまで何回も見てきた光景だった。

今日見た学生は、中年の婦人だったが、手に消しクズを集めていたので、どうするのかな、と見ていたら、やおら自分のカバンの口を開けて、そこへ放り込んだのだ。そこまでやらなくても良いですよ、と言いたいくらいだった。試験中だったので、声をかけることはできなかったのだが。家へ帰って、カバンに掃除機を突っ込むのだろうか、と想像を羽ばたかせてしまったのだった。

一番前に座っている、これも年配の女性の方が統計の問題を解いていた。テキスト持ち込み可の科目だったので、机いっぱいにテキストやノートやプリントを広げていた。すると、そのテキストのカバーに見慣れたカバーがかかっていた。じつはわたしもよく作るのだが、大判写真のカレンダーの用紙を使ってのカバーなのだ。紙質が良くて厚い紙が使われている。そして、写真部分とカレンダーの数字部分との組み合わせがとても良い。日付が3分の1位見えていて、3分の2が綺麗な写真が残るようにブックカバーに仕立てるのだ。見栄えも良いし、さらに頑丈なカバーになっていると思う。それがわたしだけでなく、今日の一番前に座った学生の手元にあったので、「あれー」と思った次第なのだ。テキストがカバーが破れるほどに、擦り切れていたのが、たいへん印象的だったのだ。これほど、読み込んでくだされば、テキスト作成者にとって言うことはないのだ。またまた、作ってみようという気にさせられる。

Img_0646 試験会場から、センターの試験実施本部へ帰ると、文房具として使うように、目の前に大量の油性ペンが準備されているのに気がついた。なぜ油性ペンが使われるのかといえば、試験が終了して答案を収める袋が、プラスチックでできていて、これに記入するのに、油性のインクしか使えないからである。かつては、この写真のようなガラス瓶のついた「マジック・インキ」という商標の通称マジックと呼んでいたものが主流だったが、今日ではあまり見なくなった。Img_0645 今日、久しぶりに見た。このマジックはどの製造メーカーで作られているか、知っているだろうか。「○くら」や「○んてる」と答えた人は、かなり文房具に精通した方だ。けれども、違うのだな。

現在では、太字用と細字用とが一本にまとまったこちらの油性ペンがよく使われるようになっている。やはり、ガラス製のマジックは少し太字すぎたのだと思われるし、ちょっと持ちにくいのだ。Img_0647 小学校の壁新聞や立て看の模造紙に書くには、これが最適で、一世を風靡していたのだが、A4版の小さな紙に書くには適していないのだ。けれども、懐かしくかつ可愛い文房具だったのを思い出したのだ。

帰り道、かなり暗くなっていたのだが、80歳を過ぎたとおぼしき女性が教室から出てきて、杖をつきながら、時々ため息をついて、Img_0648 今日の試験のことを思い出し(ているのではないかと見られ)歩いているのを見ると、社会人の大学なのだな、と思うのだ。放送大学らしさ、というのは、このような時にチラッと窺い知ることができるのだ。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。