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2015/12/05

みなとみらいホールでコンサートを聴く

Img_0580 横浜に住んでいて良かったと思うことは数々あるのだが、質が良くて、にも関わらず決して高価ではないコンサートが、探せばどこかで、週に1回以上催されていることだ。もちろん、たまには高価な演奏会に行くのは良いとしても、ずっと練習を続けて聴かせてくれるセミプロや低廉のコンサートでも十分に楽しめる演奏会が数多く集まるのが、横浜の特色だ。友人たちの演奏する楽団には、誘われてもなかなか時間が合わなくて駆けつけることも適わない。それで、Img_2307 いつも失礼してしまっているのだが、このように選ぶことができるほどに、家から30分ほどで着くみなとみらい地区では演奏会が目白押しなのだ。たとえば、年末になってくると、大学管弦楽の定期演奏会が続々登場して、わたしたちの耳を楽しませてくれる。


Img_2376 今日は、横浜国立大学管弦楽団の演奏会がある。神奈川学習センターが試験監督でいつもお世話になっている、そのメンバーたちが多く所属しているのだ。みなとみらいホールで、シベリウスの交響曲第2番を演奏するというので、妻と出かける。妻は先週もこの曲を他の楽団で聴いてきたところで、同じ曲を何回も聴きたいのだと通を気取ってひけらかすのだ。

Img_2375 そういえば、今週フィンランドの管弦楽団がNHKの放送でも流していた。第3楽章までは、低く響く長い曲が続くような印象の曲だと思うのだが、それが突然のように、明瞭なテーマが現れるに従って、カタルシスが一挙に作用するから、抑鬱していた気分がさっと晴れるような心持ちに変わるのだ。この気持ちは、家で鬱々と仕事を続けているものにとっては、何物にも変えがたいものだ。

Img_2379 じつは先週もみなとみらいホールを訪れている。よほど気持ちが鬱屈しているらしく、外にその解放を求める気分がずっと続いている。先週はランドマークタワーとクイーンズ・イーストから、みなとみらいホールへ入った。パイプオルガンの恒例1ドルコンサートがあり、これも妻と待ち合わせて行ったのだった。バッハゆかりの作曲家を取り上げた演奏だった。それでも、贔屓耳で聴くせいか、やはりバッハのオルガン曲が一番耳に残ったのだった。

Img_2295 その日は、時間に余裕があった。それでみなとみらいホールへ行く前に、暇があったら行きたいと思っていた、横浜美術館の美術ライブラリーで、椅子関係の資料を渉猟した。そこで偶然にも、古典的なハーバート・リードの本を見つけ、椅子に関するところを探し出す。Img_2292 ラスキンとモリスの文脈を正確に追っていて、その本は興味深かったが、彼らとリードとが異なることがあって、それは手仕事ではあるが機械生産を受け入れる覚悟がこのころから始まっていた点であり、ここでの木工の記述が特に面白かった。Img_2283 さらに、この図書館の書棚で、美術で有名な海外出版社が出している椅子の図録も見つけ、美術館関連の文脈で探すと、図書館と異なる本を得られることがわかって、たいへん有益な時間を過ごすことができたのだった。

Img_2286_2 書籍は充実していて良いのだが、このような専門図書館の欠点は、飲食がまったくダメなところだ。階下へ降りていけば、立派なレストランはあるのだが、それを持ち込むことはできない。年寄りは喉が乾くのだ。Img_2303 それで、最後の閉館チャイムが鳴るまで、ライブラリーにはいたのだが、その後すぐに、喉を潤したくなってしまった。向かいに近年できたビル「M」があって、その3階の喫茶店「C」へ入る。窓際から、みなとみらい地区の摩天楼が望めて、綺麗な照明が輝いていた。

Img_2298 この正面から横浜美術館を眺めていたら、先日のル・コルビュジエ展を思い出した。横に水平に伸びた、高床式の回廊が周りをぐるっと回っており、真ん中に一帯を眺望する展望台があるのだ。Img_2301 横浜美術館の建物がまさにコルビュジエ様式の建物であることがわかる。壁の模様がシンプルな幾何学模様を描いている。丹下健三設計のものなのだ。板倉準三が神奈川県立近代美術館を作って懐かしんでいるように、コルビュジエ様式はこのように極めて身近なところに残っている。

Img_2290 今日の椅子は、美術館の波打つ白いベンチだ。大きな施設には、大きなベンチが似合う。これも、インテリアの「連続性の原理」に従っているのだろうか。Img_0581

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。