« 原稿校正と「電子雑誌」発行準備で、町田へ向かう | トップページ | 若林奮展を観に、葉山へいく »

2015/11/05

秋晴れの爽やかな朝、今日はパン日和だ

Img_2102 秋晴れの爽やかな朝だ。青い空が綺麗で、散歩日和だ。昨日までに、今年度の卒業研究提出が締め切られ、提出できた人も提出できなかった人も、それぞれがここ数か月間充実した努力とちょっとの哀しみを感じてきた日々が、ついに一つの終了を迎えたということだ。

Img_2103 来月には、修士論文の締め切りがあり、まだもう一つの山があって、気の抜けない日々が続く。けれども、最近になって思えるのは、職人の生活と論文作成の日々はちょっと似ているところがあるな、ということだ。定型の部分はさっさと作業できて、不確定のところでは悩みつつ作業を進めるというリズムが似ているし、さらに書き言葉なので、積み重ねや修正が可能で、努力しただけ、それが報われる。喋り言葉のように、その場の雰囲気で安易に理解されてしまうわけではない。これは論文というもののたいへんな利点だと思われる。

Img_2108 先週、田舎にこもって、研究誌の編集作業を、根を詰めて行ったために、目の疲労が激しく、今週首都圏に帰ってきてからも、仕事へ着くのがまだダメなのだ。妻には、なんて柔なのと言われてしまったが。そんな時に、O先生から晩秋の「秋カフェ」のお誘いがあった。良いタイミングである。しかも、先日再来したいと思っていた「パン日和A」へ行こうということになった。Img_2109 朝、仕事場のある千葉から回って、自宅へ戻り、再び「新川崎」から「鹿島田」へ向かう。この近辺には、最近高層ビルが、立ち並ぶようになった。東京と横浜を結ぶちょうど中間点にあり、交通はたいへん便利だ。

Img_2110 O先生から、会議が延びて少し遅れると連絡があったので、彼が来る時間まで、高知産のゆず茶をいただき、コーンマヨネーズ・パンをつなぎに食べ、さらにオーストラリア・ワインもちびりちびりと始める。Img_2111 パンのもちもちした食感を楽しみながら、空腹が満たされていく幸福感に浸る。天然酵母特有の複雑な感触を楽しみつつ、パン屋さん特有の食べ物の話を聞く。その間にも、小さな子ども連れの客が来て、パンを買っていく。

Img_2116 特に興味を持っているのは、前回同様、椅子の話だ。前回はこの部屋でまず椅子から購入し、それに合わせて高さを測って、机を注文したという話を聞いたのだが、なぜ椅子からなのか、ということや、さらに机の後どのようにこの部屋を作っていったのか、と連なる話が面白かった。

Img_2117 この最初に購入したこの椅子は、古道具屋から購入したらしいのだが、ダイニングの椅子ではないし、かといって、正規の事務椅子のようでもない。どうやら、米軍基地で使われていたものらしいのだが、とすると、やはり労働現場で補助的に使われていた椅子ではないかと想像される。Img_2119 基地の格納庫で補助的な椅子として使われていたとか、工場で縫製していたお針子たちが休憩時間に座っていたとか、というのではないか、ちょっと小振りだから女性用の椅子という感じもするのだ。

Img_2120 椅子を喫茶店の最初の出発点にする、という発想は、並ではできないと思う。やはり、喫茶店では建物があり、部屋があり、部屋に合わせて、テーブルと椅子が選ばれていく。それと逆の方向性を持つということ自体、一つの発想だと思う。

Img_2112 O先生が月に1回くらい行く新丸子の古い定食屋があって、先日そこへパン日和のご夫婦が訪れたのだそうだ。そのことは、彼のブログでも書かれていたので、知っていたのだが、なぜO先生がその店を彼女に紹介したのか、という理由があるらしい。そこのご主人と、パン日和のSさんとに共通点があるからだ、と言うのだ。Img_2114 それは、微笑ましい共通点なのだが、ちょっと考えてみると、実はもう一つ共通点があって、「おかしな」人びとを惹きつけている、という立派な理由がある。たとえば、売れない漫画家や売れない芸術家が集まるのだとか。そして、わたしたちもどちらかといえば、奇妙な人びとの部類に十分入ってきているのだが。

Img_2113 O先生との共通のテーマとしている「サードプレイス」ということが成り立つ要件には、ファーストとセカンドからちょっと「離れる」必要があるという条件がある。この点で、パン日和Aは十分な正統性を持っている。「売れない」ということと、「離れている」ということには、立派な相関関係があると思われる。

Img_2124 どうしても椅子の話に戻ってしまうのだが、この最初の椅子自体が家庭からも職場からも離れている印象のあるものだと思われた。ダイニング・チェアや安楽椅子のようなファースト・チェアがあり、シューメーカー・チェアやミルキング・チェアなどのセカンド・チェアがあり、そしてここに、サード・チェアなるものが発見されたということである。この椅子があって、この店があり、そして、これに座ってパンを食べることができ、それでたいへん落ち着くのである。そういう目で見ると、この椅子が俄然大切なものに思えてくるから、不思議だ。

Img_2121 ワインのおつまみには、カウンターにあったパン・ド・カンパーニュとベーコンをこんがり焼いて出してくださった。その後、O先生が現れたので、アボガドとクリームチーズのサンドウイッチ、BLTサンドウイッチをシェアして食べたのだ。この店はパン屋さんなので、ガブっとかぶりつく時の肉厚なパンの味が重要なのだ。Img_2129 デザートに自然酵母風味のチョコクロワッサンとホットチョコレート、最後にスコーンにジャム、さらにコーヒーをいただく。あっという間に、3時間ほどが経っていた。楽しいことは時間を超越する。

Img_2134 O先生は明後日から信州旅行だそうだ。わたしは川崎へ出て、稲毛神社の酉の市を覗きつつ、その先のコーヒー豆屋さんで、ようやく出てきた癖のある豆、エチオピアの「トップ・コチャレ」をいつもより少し多めに買って、家路につく。Img_2139O先生のブログはこちら

« 原稿校正と「電子雑誌」発行準備で、町田へ向かう | トップページ | 若林奮展を観に、葉山へいく »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/173786/62624469

この記事へのトラックバック一覧です: 秋晴れの爽やかな朝、今日はパン日和だ:

« 原稿校正と「電子雑誌」発行準備で、町田へ向かう | トップページ | 若林奮展を観に、葉山へいく »

社会経営研究配布中

  • 2015study

社会経営ジャーナル配布中

  • 2015journal

開いている講義    「社会的協力論」

  • cooperation

「音を追究する」第13回・第14回

  • art

「多様なキャリアを考える」第2回・第3回・第4回

  • cooperation

「グローバル化と私たちの社会」第11回

  • cooperation
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

Recommend

プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。