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2015/06/02

O先生のお母様が亡くなる

ブログ仲間のO先生のお母様が亡くなった。お悔やみ申し上げます。

そのことは、O先生がずっとブログで書いていたので、様子はかなり克明に毎日読者には伝わっていた。食欲が無くなったあたりから、急速に体調が悪くなった様子が書かれていた。いつものブログ日記のように、淡々と記されていたので、差し迫った感じが全くなかった。それで、自分ことに引きつけて考えてしまい、もう少しどうにかならなかったのかと、他人事と思えなくなってしまうのだ。

O先生のお母様は、じつは偶然にも、わたしの母と同い年の昭和2年生まれで、また生まれた月も同じで、3月生まれなのだ。そして、これも偶然なのだが、ここ数ヶ月、生死の間を彷徨った、あるいは彷徨っていることでも共通している。(さらにいえば、わたしたちの父親の名前も漢字は異なるが、音は同じなのだ。)

母親たちの共通点は他にもいくつかあって、昭和一桁世代に共通していることが現れる。まずは、田舎から東京へ出てくるという転機が含まれていることだ。O先生のお母様の場合には、群馬県から東京に出てきた。他方、うちの母は、信州から出てきた。うちの場合には、結婚したのち、一度東京の池袋へ出てくるが、その後また、祖父の仕事を手伝うために戻り、そののち再び東京へ出てきている。わたしの母の場合には、二度の上京に表れているように、生活の安定はままならなかった時代が続いたらしい。

このことは生活の基盤に影響を与えているように思える。O先生のお母様は、蒲田に居を構えて、ずっとそこに落ち着いていたため、コミュニティのことにずいぶんと専心なさっていたようである。これに対して、わたしの母は東京に出てから、現在の千葉の住居に定まるまでに、6回も引越しを繰り返しており、結婚以来12回の引越しを行っている。東京圏でなかなか落ち着けなかったことを表している。田舎にいるときには、合唱活動やPTA活動など、地域の活動をずいぶん引き受けていて、小学校では朝登校すると、母の方が早く来ていたほど、PTAに熱心だったが、東京へ来てからは、そのような活動には一切行かなかったと思う。

このことは、おそらく父親の職業が作用していたのではないかと思われる。O先生のお父様は公務員であったため、収入が一定し、安定した生活が計画できたということだと思われる。うちの父の場合、祖父が経営していた林業の会社が倒産して失職し、その結果、東京へ出てきたので、その後も給料の安い民間の会社に勤めなければならなかったから、生活に余裕がなかったといえよう。このことは、住む場所に大きな影響を与えていたと思われる。

母と話をするとよく出てくるのは、青春の話だが、他の世代と異なっていて、第二次世界大戦のことが重なっている。祖父の家には、風呂の釜焚き場から地下室へ降りていく階段があって、そこが防空壕になっていた。何度となく、そこへ避難したことを聞かされた覚えがある。また、会社の東京支店があって、そこへ泊まって、ずいぶん百貨店めぐりや名所を回った話も、戦争と重なってくるのだ。もちろん、戦後になって、田舎から食べ物を供給しようと、リュックサックいっぱいの荷物も途中の検閲で、没収された経験も何度かあったようだ。田舎は豊かで、ほとんど食べ物で不自由したことがなかったらしい。

そして、母親たちには最近の共通点もある。それは、通院と入院だ。O先生の付き添いと入退院の記録記事は、ブログに連日載っている。他方、うちの母は、昨年の暮れに心不全で入院して、それ以来さまざまな病気が複合して押し寄せたために、未だ病院から戻れないでいる。

88歳という節目の年に亡くなったということは、生前はきわめてバランスの良い、計画性のある人生を全うしてきたのだと思われる。ご冥福をお祈りします。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。