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2015/05/19

介護で気をつけること

どこまで踏み込んで介護を行うのか、ということをつねに痛切に考えることが、この4ヶ月間に起こっていたことだ。母の入院と介護のことだが。

たとえば、今日起こったことは、その典型例だ。母の入院が4ヶ月になっている。それで本人は、病院での生活が本当に嫌になる。それは、大げさに言えば、あたかも収容所に押し込められた難民以上の、不自由さが付きまとうからである。それで、毎日の日常が疎ましくなる。

今日の母親で、それが見られたのは、薬の投与である。現在、心不全は一応直ったという段階なのだが、整腸剤の漢方薬が食前薬で、それ以外に、リュウマチ関連の3種類の錠剤を飲み続けている。通常は、食事は食べなくても、何とか薬だけはすべて飲ませることができるのだが、今日はいつもと違っていた。食前薬は飲んだが、食事を終わらせて、食後の錠剤をどうしても飲みたくないとのことだった。

それで、数十分なだめすかして見たが、いつも以上に頑なな顔つきをして、唇を前へ突き出して、意地悪そうな顔を示すようになった。そうなると、テコでも動かないので、数10分待つことにして、違う話をして、気を紛らせた。時には、それでうまくいくこともあったが、今日は本当にダメだった。

それで、なぜ最後の薬がダメなのか、嘔吐しそうになるのはなぜか、と聞くと、錠剤を固形のままで飲み込む時にダメなのだそうだ。砕いてくれれば、飲むよという。なら、簡単だといって、鉄のスプーンを親指で押し付けて、砕こうとしたが、カリウムの錠剤はなんとも大きくて固いのだ。潰すどころではないのだ。仕方ないので、スプーンを縦にして、ナイフのように切って砕こうとした。がたーんと大きな音がして、一応二つに割ることができたが、実はそれからが大変だった。小さくなったからといって、硬さが変わるわけではない。むしろ、小さくなった分だけ、余計硬く感じた。

手を真っ赤にして、唸る姿をみて、母はふんふんと無視した顔をしていた。けれども、砕き終わると、素直に白く変色したゼリーと一緒に飲み込んだ。そこで、言ったセリフは忘れられない。「結局、無理矢理飲ませたね」と笑いながら言ったのだった。

他者のふところに入って、無理矢理でも、何かをさせるのは、やはり同等にこちらも無理矢理何かをやらなければ、受け入れてもらえないということだ。それは、たとえ親子関係でも、同じことだと知ったのだった。その後、妹が「技術革新」的なアイディアを出してきたので、錠剤問題はなんとか、済ますことができるようになったのは、仕合わせなことだった。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。