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2015/05/16

体調悪し

昼には、大学院ゼミの方々といつもの定食屋で、焼き魚で食べたから、そんなことになるはずはなかった。また、帰って来てからの夕食もいつものメニューで珍しいものを食べたわけではないから、さらにそんなことを催すことはなかったはずだ。となると、わたしの体調の問題ではないか。

夜、睡眠を取っていたら、午前2時ごろになって、何やら異物が手に触るのだ。すわ、エイリアン、と思えるような、お腹の腫れ具合だ。ちょっと古いギャグだが。これは、歳をとって、お腹が膨れるようなガス症状だと思い、気にせずに寝入ろうとするのだが、なかなか寝付けないほどの膨らみになってきたのだ。

そのうち、痛みも感ずるようになってきた。風船のように膨らんだ腸が、膨張に耐えきれずに、空気を吸い込んだカエルのように、ぷくっとして、今にも弾けそうになって、痛いのだ。これはまずいと思い、トイレに駆け込んだが、痛さと苦しみはいや増すばかりだ。

そのまま座っていることができずに、手を差し伸ばして、何かに掴まろうとする。これは不思議な感覚だった。なぜ痛みが激しいと、自分で立っていることができずに、何かに掴まろうとするのだろうか。藁にもすがる思い、とよく書いてあるが、何か掴めるものはないか、藁でもよいという気分になってくる。現実には、大概のものは、体重に耐えきれずに、折れてしまって、残るのは、ドアのノブのみだ。

それでも、体調は好転しない。そのうち、脂汗が出てきて、すっかり呼吸も苦しくなる。息ができなくて、苦しいという純粋に体力的なダメージは久しぶりのことだった。結局、声を出して、苦しみを発散させるしかない。床に転げ回って、唸り声を出して、苦しみから逃れようとするが、一度掴まれた苦しみからはなかなか逃れることはできなかったのだ。

このような声を出してのたうち回ったことは、人生のなかで初めてだったので、妻も息子も飛び起きてきて、びっくりしたようだった。床にのたうち回ったことが良かったのか、時間が経過したのがよかったのか、下血して事態は収拾を迎え始めた。ようやく、血が出ることで、安定したのだとわかったのだ。

初めての事態にびっくりしたのだった。その日は、それで終わって、後日病院へ行くことにして、就寝する。これからは、このような体調が悪くなることが頻繁に起こるのではないか、と思うのだった。それが、年を取るということなのかも知れない。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。