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2014/08/25

この夏、二回目の松本散歩

Img_7480 昨日は、木曽の手仕事市を観て、途中バスで到着した娘と待ち合わせて、最後は昔からある漆器の店「E」の女将さんにいろいろと話を伺う。ひとりで聴くより、ふたりで聴いたほうが、話が進みやすい。ここでは、オリジナル製品をいくつか出していて、その中で「八角箸」について話が弾んだ。

Img_7344 クラフト経済では、究極の問題として、「手作り」なのか「機械生産」なのかという問題がある。どちらが良いのかは一概には言えない。現代のクラフト経済では、むしろ機械生産も積極的に取り入れて、生産を行う人が多くなった。それで、箸については、機械生産の方が、均等ですべすべした、使いやすそうな商品が出来上がる。それに対して、なぜ手作りの箸をオリジナル製品として、この「E」では店に並べるのか、という話だ。

Img_7449 それは、写真にある、この箸なのだが、実際に持ってみないとよくわからないところがあるのだが、たしかに軽いし、癖のある箸だ。この癖にぴったり合ったら、均質のものよりも使いやすいのだ。わたしの母は、手がリュウマチで変形してしまっている。だから、通常の箸よりも、変形に合った箸が必要なのだと、かねてから理解できないでいたことが、このようなところでわかるとは思ってもみなかったのだった。

Img_7440 この店の女将さんは、わたしよりちょっと年上だと思われる。この店の前が昨日紹介した「ろうきん」で映画館だったところだ。それで、裏にあった木曽川での水遊びについて、記憶が鮮明に残っているらしい。やはり、子どもたちだけで、木曽川で遊んだという話をなさっていたから、もしかしたら、わたしと一緒に遊んでいたのかもしれない。また、いらしてください、という言葉に、思わず答えてしまいそうになってしまったのだった。

Img_7390 それで昨日は、木曽から松本へ出た。天気が良ければ、岡谷へ出て、博物館・美術館巡りをしたかったのであるが、時間が遅かったこともあって、次回に延ばすことにした。松本に着いてから、すこし休憩して、Img_7397 夕飯はいつもの鰻屋「S」へ行く。まだ閉店時間前だったのだが、すでに店が閉じようとしていた。ところが、娘の泣き落としが功を奏して、閉じる寸前のところで入れていただいた。貸し切り同然の状態で、ここもいつもの肝吸い付き「うな丼」。

Img_7405 その後、コーヒーを飲みたいということになって、近くのジャズ喫茶「E」に行く。きょうはサイトウキネン・コンサート帰りの客が流れてきていて、混んでいたが、ピアノ曲と、トリオ曲が素敵に鳴っていた。

Img_7445 松本の宿は、一度は泊まってみたかった、旅館「M」。中で使われている調度品は、ほとんどが松本民芸家具で、使って黒光りするようなものばかりだった。松本の人びとについていえば、この辺のシンシアリティについては意固地といえるほど、忠実だなといつも感心するのだ。宿の方々も、古い施設を撫でながら丁寧に使っている様子が伝わってくるようだった。英国でいえば、マナーハウスまでは行かないが、上級のBBというところだろうと思われる。

Img_7389 朝食も充実していて、川魚の塩焼きが美味しかった。夜は、大町へ帰るので、今日一日娘と一緒に、松本散歩なのだ。まずは、クラフトフェアで知った作家の器があるという、喫茶店「m」。昨日の雨で、娘の布の靴がすっかり駄目になってしまったので、駅近くの靴屋さんで、スニーカーを購入して、そこから女鳥羽川を渡り、六九町を横切って、横道に入っていく。生あん屋さんなどが残っている街だ。Img_7410 喫茶店「m」は、手作りの木の感触を大事にしている感じの店で、玄関で靴を脱ぎ、板張りの床を踏みしめながら、席に着く。郊外の一軒家という雰囲気を醸し出していて、長時間居ても良いという、落ち着いた空間だった。信州大学の学生たちは、このような店へ来て、勉強をするのだろうか。そこで勉強できるほど、長居のできる喫茶店文化を持っている土地は、仕合せだと思う。

Img_7424 昼食は、市役所そばの、以前夜食を食べに行ったことある居酒屋「S」で、おでん定食とやきとり定食。このボリュウムだ。この店も、民芸家具に満ちていて、見事に使用され尽くされている。食器も、砥部焼や益子焼などが多くを占めている。Img_7425 とくに、このテーブルには年季が入っていて、光輝いている。高校野球の決勝戦をテレビで放映していて、店の中が甲子園ムードだった。

それで、そろそろ電車の時間も迫ってきたので、Img_7458 中町通りへ戻って、今年の買い物に精を出す。真ん中辺にある「G」へ行き、お目当ての「T」氏制作のカップ&ソーサを購入する。Img_7484 この濃い藍色は新しく挑戦したものだと聞いていたが、店の方によれば、彼はずっと以前にもやはり制作していたことがあったのだそうだ。当時のものと比べてみたいとも思った。彼の制作したポットは早稲田大学のO」先生も愛用している。

Img_7395 ここでは、女将さんが木工の方の妻なので、木工事情に詳しいのだが、それで並べられているいくつかの木工品について、質問をして答えていただく。この内容は、思いもかけず素晴らしい内容だったので、おそらく再来年の授業の中で、事例として出てくることになるだろう。楽しみにしていただきたい。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。