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2014/08/18

松本の散歩

Img_7075 母と妹が東京へ帰るので、コミュニティバスと大糸線を乗り継いで、松本駅まで送っていく。昨日まで、豪雨の中の生活を続けていて、東京へ戻るときに、こんなに晴れて、何と巡り合わせの悪い親子でしょうか。せっかく、田舎まで来て、家に閉じこもっていただけだとは情けないというので、昨日は雨模様だったのだが、一番近い温泉宿の露天風呂を借りに行った。

Img_7036 わたしのほうは、誰も入っていないで、貸し切り状態だった。露天風呂の半分には屋根があるが、半分は雨ざらしで、頭に大粒の雨を受けながらの露天風呂も、いつもと違った趣があって良い。

Img_7034 というように、雨の中でも工夫次第では、自然を楽しめるのが、田舎の良いところだと思う。帰りに、いつものように壜牛乳を飲んで、妹は按摩機にもかかっていて、ここまで楽しめば、もう今年の夏に思い残すこともないだろう。あとは、極暑の東京で頑張ってくれ。

Img_7136 さて、松本駅では、母の面倒をみて、買い物を手伝い、宅配便で送る手配を済ませ、コーヒー屋さんで相手をして、妹が街中の買い物から帰ってくるのをまった。母の買い物は、Kのクッキーと、S飴のまめ板と、杏子のお菓子数種類と、O堂のくるみ餅1箱・・・と止まるところを知らない。10件ほどで、打ち切ってもらった。改札口前のコーヒー屋さんでは、仕事。田舎では、インターネットの容量が制限されているので、松本へ出るときにまとめて事務的なメールを済ませてしまう。だから、数日に一度は、この街に出ることにしている。母と妹と別れて、ようやく街へ向かう。

Img_7168 ところが、駅を一歩出たところで、この日差しに参ってしまった。忘れていた太陽が、ここぞとばかりに照っている。途中、蔵作りの古本屋さんがあって、ちょっと覗いただけなのに、呼び止められてしまった。ポスターをくださるというのだ。それで、最近の古本屋業について聞く事にした。昔の客の多くは、信州大学の学生たちだったとのことだ。床に座り込んで、ずっと読んでいったらしい。けれどもな・・・と、最近の学生は来ないのだそうだ。社会科学分野のところには、みすず書房や法政大学選書などが、奇麗に並んでいた。

Img_7172 古本屋の隣りにある、いつも寄るギャラリーKでは、常連の作家たちの陶器・磁器が並んでいて、目の保養をさせてもらった。ここを過ぎると、中町通りはすぐなのだ。けれども、暑さというよりは、日差しの強さに参ってしまう。日陰を選んで歩くことする。

Img_7174 久しぶりに、角のランプ屋さんへ入る。輸入品の照明器具がほとんどで、わたしなどが購入できるような安価なものはあまり無いのだが、見ているだけで、ヨーロッパへ行ったような気にさせてくれる。イタリア製のランプ・シェードがあって、白いガラスに青い線が入っているもので素敵だった。Img_7173_2 きっかけをつかんだので、ここでも値段談義を一刻させていただく。輸入品の場合には、やはり出品者に主導権があって、ほとんど言い値で購入するのだそうだ。だから、粒は揃っているのだが、そのかわり高めの価格決定がされてしまうらしい。

Img_7183 写真は店内禁止だったので、この奇麗なシェードを見せることはできなくて、残念ではあるが、この値段は7800円だった。これなら、他がみな3万円以上しているランプ群に比べて、妥当で、手の届く値段だと思ったのだ。ところが、それだけで終わらないのが、商売というものだ。天井から吊るす付属品の鎖や、留め金類を付けてしまうと、やはり2倍以上の値段になってしまう。Img_7179 装飾品というものには、このように本体はそれほど高価なものでなくとも、周辺のものまで込みで、全体の値段が決まってくることが常套手段として行われているのだ。付加的な仕事が必ず付いてきて、さらに付加価値がそれに字義通りに付いてくるのだ。

Img_7188 中町通りにある、いつもの「C」で、毎年1客ずつ買い足してきたカップ&ソーサーを今年も1客購入した。それでいつもは素っ気ない店の女主人のかたも、今日はとても機嫌が良さそうだったので、昔話を少しばかり。以前にも、書いたことだが、わたしたちの結婚の引き出物は、当時ここで売られていた木製の額を選んだのだ。現在も、木製額は売られているのだが、まったく別物で、当時の額はうっとりとするほどのものだった。「かまぼこ」のような盛り上がった、重量感ある額の木について、しばし話した。今はすでに故人になってしまった木工が作っていたのだ。注文を出すときに、やはり最初にこのような感動した部分がないと、自信を持って、注文は出せないだろうと思ったのだった。この額に紺色の布地のものを入れて飾ると、壁の白さがぐっと引き立つ。

Img_7203 店のガラスの部屋を歩いていると、何気なく、砥部焼の中皿がおいてあった。砥部焼の太い藍色の線が荒々しく、白磁に引かれていると、それだけで朝の目覚めに効果的なのだが、今日の砥部焼はちょっと違っていた。むしろ、藍色の線は限りなく細くて、均等にすっと次の線まで伸びている。絵の具を置くような、こんなに繊細な絵付けは砥部焼では、観たことがなかったので、といってもそれほどわたしが詳しいわけではないので確かなことは言えないが、それでも素人目にも、かなりの手だれが描いたものであることがわかった。この線を描いているところが、目に浮かぶようだった。

Img_7187 これで十分に満足したので、そのあとは喫茶店「M」で、しばらく読書。これほど、混んでいるにもかかわらず、ずっと静かにしていると、何時間でも時間が流れていくような、喫茶店は珍しい。追い立てを食らうことは、決してないという安心感がある。だから、地元の人も、観光客がいくら来ようと決して、席を占めることを止めないのだ。この誰でも受け入れて、しかも、長居できる雰囲気は、この「M」ならではのものだと思う。

Img_7195 コミュニティバスに間に合うための、大糸線の最終電車の時刻が近づいてしまった。ここからだと、喫茶店「L」を経由して、またまたすこし買い物をして、北松本から乗っても同じではないかと思って、すこし距離はあったが、ゆっくりと歩いた。日差しが強くて、用心のためのサングラスが十分に役に立ったのだった。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。