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2014/04/10

新しい研究誌の発行

Photo 歴史学のG先生が、先日の教授会の折、左の写真に掲げた「放送大学日本史学論叢」を持って来てくださった。白地が表紙の多くを占め、ワンポイントの赤の四角が映える、間の感覚が凄く素敵な装丁の雑誌だ。日本史学会は、放送大学大学院修士課程を修了した方で、放送大学大学院歴史研究会所属の方々を母体とした団体だ。G先生を中心とするこの研究会は昨年だけでも4回の会合を開いている。その結果がこの研究誌に反映されている。3本の論文と2本の研究ノートが載せられていて、燃えるような熱心さが表のデザインにそのまま現れているように思えた。

0407 赤が白い線で切り裂かれているのは、おそらく歴史という生のままのものを、研究会の執筆者が独自の切り口で切り取ってやろうという心意気ではないかと思われる。斜めにしかもちょっとずらした場所での切り込みが絶妙だ。また、その中からわずかちょっと頭を出している黒いものは、論文として、表に出したいという控えめな比喩ではないかと解釈した。これはお話を伺ったわけではないので、わたしの単なる推測である。でも、論文を読めば、この小さな黒い意思は相当堅いものであることがわかるのだ。

Hp さて、今度はこちらの研究誌についてである。昨年から制作を依頼していた、研究誌「社会経営研究」「社会経営ジャーナル」のホームページが出来上がってきたので、さっそく4月から刷新した。洋服を身体に合わせて造るように、ホームページの場合には、そのサイトの性格があって、それに合わせて造っていただくことが大切である。

この点では、最初に情熱があって、熱くこういうのが良い、と伝えるのが良い結果を招くと言われているようだが、そこには留保が必要であることを学んだ。自分で造ってしまうことの危険がいくつかあって、自分の思い通りに造ってしまうと狭隘な工夫しか盛り込めない。今回は、最大限デザイナーの方の可能性に依存した制作を心がけた。

ふつう研究誌というのは、科学的な権威というものがあって、一緒に造るというよりは、「掲載してやる」という発行者目線で造られている場合が多い。「査読」制度の存在は、その最たるものだ。今回のサイトでは、何とか一緒に作ろう、という点を出したかった。結局、執筆者と編集者と読者とが最終的に一体のものとして感じなければ、雑誌を出す意味が半減してしまうのではないか、と思っている。

テーブルや椅子の比喩を使おうとなったが、それは会合における会話というものが、それぞれの出席者と全体との合一の中で、形成されることがあって、この雰囲気を大切にしたかったのだ。

合同会社TOさんにお願いして、この点を工夫していただいた。年輪を重ねたテーブルは、木工の部門を持っている、Tでなければ登場しなかったに違いない。暖かさや丸さということをこのスクエアな空間の中に造り出すには、やはりデザイナーの力でないと可能ではない。ここが重要だと再認識した。

もう1つお願いしたのは、指示物の明確さである。どこに何があるのかを文章がずらずらと並んでいるとなかなかわかりづらい。それで、ウェブサイトの表示では、矢印風のデザインを特別に作っていただいて、研究誌の掲載されている場所をかなりはっきりと表示した。この点も、わたしたち素人では、ちょっとした操作でもなかなかできないものだが、きれいでバランスの取れた具合で制作してくださった。

これらの結果、昨年度作っていただいた電子書籍の定型で表示した研究誌と機関誌がたいへん見栄えする形で掲載することができた。ちょうど第2号目の募集時期にも間に合って、今年一年、この成果が発揮されるだろうときたいしているところだ。

現在、放送大学大学院も13年目に入り、修了生もちょうど10期生ということになった。この節目の時期に、新たな雑誌が次々に発行されるのはたいへん意義深いと思われる。内容がそれにともなるように、精進を続けたいと思う。「放送大学日本史学研究」の雑誌発行を張り合いにして、「社会経営研究」の論文内容もより充実していきたいと考えている。

http://u-air.net/SGJ/

一度、御覧ください。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。