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2014/03/29

東京文京で比較地域研究会が開かれた

Ghrpp 東京文京学習センターに20名が集まって、恒例の比較地域研究センター研究会が開かれた。今回は第8回になる。放送大学大学院も修了生が10期になり、節目を迎えている。そのこともあり、今月には、経済学分野のこの研究会が開かれ、さらに天川ゼミのガバナンス研究会が、来月には神奈川学習センターで開かれる予定だ。

Rtnlq 今回、修士論文発表でM氏が、そして研究会発表として、U氏と、Kさん、Aさんが壇上に立った。コンビニの福祉サービス、銀行店舗の地域分析、障害者雇用、近江商人など、多彩なテーマが並んで、いつもながら問題意識の多様さに驚く。

Rrbp6 今回は発表の興味深さと同時に、質問や議論の活発さが目立った。これだけの多彩なテーマが並ぶと、誤解や認識不足も起こってくるのだが、それを「乗り越えようとする気分」が醸成されるのが、79ed1 放送大学大学院での議論の特徴だと言ってよいと思われる。後の懇親会でも、司会進行を行ったH氏が、感想としてこのことを述べていた。党派性をはじめから持った議論ではなく、柔軟な応対が特徴として出ていたと思う。

Rrbp6_2 この「乗り越えようとする気分」が、なぜこのような時に発揮されるのかといえば、やはり大学院でのゼミで議論を積み重ねてきた、累積された習慣の重みは大きいと思われる。議論が激しくなればなるほど、その激しさをどこまで追求し、どこで引くのかを心得ていなければならない。この辺の平衡感覚が必要とされている。Vel72 この基底にある理解が存在していることがわかっていないと、このような場外的な議論はできない。この激しい議論のあと、お互いにニコニコしながら、お酒を飲むことができるということが、「乗り越えようとする気分」には含まれているのだ。

Rsbpc 帰りに途中下車して、酔いを覚まし、少し腹の足しに食事をするために、本郷三丁目近辺を散策する。交差点を東大へ向かって二本目を左におりて行くと、菊坂へ出る。Img_5077 この道は不思議な道で、上通りと下通りがあって、並行して道が走っている。上のほうが10メートルほど高いところを通っていて、谷底の道が下を通っているのだ。

Img_5079 今は上通りが広い道なので、自動車道路となって、往来も多いのだが、徒歩が主だった頃には、おそらく下通りが栄えていたのではないかと推測される。ここは、明治期に樋口一葉の住んでいた長屋のあったところとして、文学者たちには有名な場所だ。知らないで通り過ぎてしまったのだが、後戻りして、石畳が綺麗に敷き詰められている路地を突き当たりまで行くと、一葉時代にも存在していたという、井戸がある。まだ、ほんの少しだけ、当時の感覚をなぞることができそうな、家並みがあるのだ。

Img_5085 それから、これは偶然だったのだが、宮沢賢治の東京宅というのも、このすぐ近くにあって、文京区の立看板がそれを教えてくれる。賢治の最晩年に病気を押して、東京でセールスマンとして、働き始めるのだが、その下宿先は神田駿河台であったはずだから、ここはその何年か前に本郷に勤めていた時の宿Img_5087 だったと思われる。東京に住んで、山手から転げ落ちる場合に、上野のほうへ転げ落ちれば、華やかで政治や経済へ向いたかもしれない。けれども、反対側に転げ落ちる人びともたくさんいて、生活はうまくいかなかったかもしれないが、文学へ向いたのだ。樋口一葉も、宮沢賢治も、こちらのほうに属していたのだと、改めて認識したのだった。

寝ざめせし よはの枕に 音たてて

    なみだもよおす 初時雨かな (一葉)

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。