« 映画「魔法のデパート:バーグドルフ・グッドマン」 | トップページ | 武雄市図書館にて »

2014/01/12

冬の京都で、合宿

0112 昨日、すでに修士論文審査が駅前の京都学習センターで行われていたので、京都入りしていた。それで、きょうはかなり余裕を持って、ホテルを後にし、合宿の会場へと向かった。Sというパン屋の開いているカフェテラスが、御池の広い通りに面していて、本を読むには最適なのだ。朝にもかかわらず、観光客やら地元の暇人やら、たくさんの人びとが集まっている。夏であれば、オープンテラスになっているところだろうが、京都の底冷えする冬では、太陽の光を浴びながらの窓際の席で満足する。

0112_2 持ち込んだ本を半分くらい読んだところで、今日の合宿する同志社大学の隣りの相国寺の美術館で「丸山応挙展」を開催しているのを思い出して、駆けつける。参道をから入って、地元の人びとが行き交う境内を横切って、静かな佇まいを示す寺の奥へ進む。美術館だけに人が集まっている。

0112_3 幼稚園のころ、本を送られて、その中に円山応挙(もしかしたら、池大雅だったかもしれない)の逸話が乗っていた。子供用の絵本だったので、記憶も定かではないが、応挙が子どものころに、悪さをして、土蔵に縄で結わえられた、という話だ。そのとき、応挙は手を使えなかったのだが、足を使って、涙でネズミの絵を描いて、縄を解きに来た大人を驚かせた。0112_4 それほど、絵がうまかったという逸話である。今日は、三井家文書がたくさん出ていて、それは丸山派の教科書的なものだったらしい。その絵は、逸話に違わず、描写が素晴らしかった。

0112_5 でも、今回感動した絵がある。それは、「白狐図」で、現代的な言葉でいえば、マットな感じなのだ。狐なのだから動物の動きが通常ならば描かれるはずだが、そしてそれを描くには、周りとのギャップが描かれるはずだから、線がないとその動きは描くことができない。0112_6 ところが、輪郭がないのだ。あるいは、輪郭がないというよりは、むしろ輪郭が面として描かれていると言った方が適当かもしれない。周りとの境目が曖昧で、白く輝いている。

0112_7 もう一つマットな感じを受けた絵がある。それは、大瀑布図である。滝を描いているのだが、上から落ちてくる様が動的というよりは、平面的なのだ。平面的な滝など、想像することすらできない。落ちて流れている様が、そこで時間が止まっている感じなのだ。

0112_8 水墨画の趣向は、黒い線で描いていくというイメージが強いのだが、これらの絵を見ていくと、この固定したイメージを定め直さなければならないだろう。輪郭が無くとも、十分に狐であることが0112_9 わかる様に描かれている。というよりは、輪郭が描かれていない方法でのほうが、むしろ狐であることが浮かび上がってくるやり方があり得るということなのだ。0112_10

« 映画「魔法のデパート:バーグドルフ・グッドマン」 | トップページ | 武雄市図書館にて »

旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/173786/59260170

この記事へのトラックバック一覧です: 冬の京都で、合宿:

« 映画「魔法のデパート:バーグドルフ・グッドマン」 | トップページ | 武雄市図書館にて »

社会経営研究配布中

  • 2015study

社会経営ジャーナル配布中

  • 2015journal

開いている講義    「社会的協力論」

  • cooperation

「音を追究する」第13回・第14回

  • art

「多様なキャリアを考える」第2回・第3回・第4回

  • cooperation

「グローバル化と私たちの社会」第11回

  • cooperation
2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
無料ブログはココログ

Recommend

プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。