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2013/12/18

六月燈の三姉妹

1218_5 「出張先で映画を観る」が復活して、きょうは「六月燈の三姉妹」を鹿児島市内の天文館にある映画館でみる。映画の開始を待っている間に、周りを見渡すと、なんとなく異様な雰囲気なのだ。これだという事はできないのだけれど、曰く言いがたい、ただならぬ気配が漂っている。地元の映画だということがあるのだ。

これが鹿児島にある映画館だということから来るもので、「場所の不思議感覚」とでもいうものが存在するのだ。このところ、高知などでご当地映画を見て来たが、最初はそのような感覚なのかな、と思っていた。なにしろ、多くの映画では、出だしの最初のシーンがその映画全体を決定するのだが、この映画は飛行機から見た桜島から始まるのだ。これだけで、もうご当地映画丸出しだ、と思われてしまうだろう。

1217_5 ところが、途中から何となく違ってくるのだが。じつは午前中に鹿児島市電とバスに乗って、この映画の舞台となる真砂商店街の近くまで、偶然に行っていた事を、見ていてわかったのだ。「涙橋」という停車場があって、その近辺にこの映画の中心地があり、その「虎屋」という和菓子屋があり、この商店街の六月燈祭りが人びとを結びつける融合剤として使われる事になる。だから、やはりこの「場所の不思議感覚」が作用していることは間違いない。

映画を思い出して、一番印象に残ったシーンは、三姉妹が祭りのあと、通りを並んで歩き、それぞれの行く末を歩きながら述べるところだ。背景に近辺の並木道が流れている。そこで姉妹間でちょっと何かを言ってみて、ほかの姉妹の反応を確かめながら、自分の進む道を話し見つけていく。会話がゆったりしていて、三人ともにそれぞれの悩みを抱えているのだが、じっくりと考えながら、歩んでいこうとしているところがとても良いと思った。この物語の最も素敵なところだと思う。この普遍的なことを描いている部分があるから、ほかのご当地映画とはちょっと異なる映画になっているのではないかと思った。

1217_7 もうひとつ、ご当地映画と異なる点を見つけた。虎屋の三姉妹のうち、長女は出戻り、次女は離婚調停中、三女は不倫中なのだが、最終的に次女は東京へ、そして三女が当地で家を継ぐ事になる。この点では、完全なご当地を描いてはいるものの、もう片方で、普遍的な東京圏との葛藤をきちんと描いていて、このような東京へ出て、また戻って、さらに東京へ戻る、というのは、この時代の宿命が描かれているのかもしれない。この点では、いかに東京に接近するのか、あるいは離れるのかという、時代普遍的な点を描いていて、故郷映画でありながら、地方対東京という視点も忘れずに入れていて、たいへん良いと思った。今後、このような映画がヒットする可能性を十分感じさせる映画だったと思う。

1218_6 三姉妹では、ちょっと形がいびつだと思って、映画を見ていたら、フランスの「三銃士」を思い出してしまった。三銃士では、ダルタニアンを入れて、四銃士なのだが、この映画で第4番目の銃士は、母親が務めていて、それで四角形の均整の取れた映画となっているのだと思ったのだった。

1218_7 帰りの土産に、以前も購入した鹿児島の焙煎コーヒー(今年は1月に高松でコスタリカを飲んだことから始まり、今回やはりコスタリカを購入した。わたしにとって、今年はコスタリカの当たり年だった。)、それから当然、鹿児島限定の焼酎(こちらでは、サツマイモにもたくさんの種類があって、特別な芋を使った焼酎なのだ。)、そして餡子の入っていない、切り落としの軽羹。

この軽羹をW大で今年お世話になったO先生へお礼に持っていこうとしたら、準生ものなので、賞味期限2日だということだった。O先生は大好物だとブログに書いていたが、鹿児島特産展が今度開かれたら購入して持っていこうと思う。今回は、ひとまずわたしの胃の中へ納める事にした。O先生、ごめんなさい。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。