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2013/11/11

雪に歓迎される

1111 松本の取材を予定していたので、これに合わせて、O市へ来ている。松本までならば、日帰り出張の範囲なのだが、この先大糸線に入ると、やはり日帰り圏内から外れてくる。それは、時間や空間の物理的な限界というよりも、むしろ心の持ち様であって、空気の流れ方とか、人びとの流れ方の相違が響いているように思える。ちょっと牽強付会けのような気もするが。

1111to 取材の準備もできていたので、特急あずさの中では、来週渋谷での授業にHさんが選んで来た現代労働事情を扱っている「Sの研究」という本を読んだ。わたしたちの働く現代の事情には、アングルサクソン・モデル、ヨーロッパ・モデル、そして従来の日本モデルが存在するのだが、現在の日本で、極めて変化が著しいし、揺れ戻しが起こっているのがこの労働分野であって、今後どのような制度が形成されていくかによって、この事情がかなり変わってくるものと思われる。11112 たとえば、職能主義で行って来た日本の労働評価が、成果主義の導入に寄って、にわかに変化を受けるようになってきている。このような事情については、変化が激しすぎて、わたしは不得手であるのだが、しかし来週には渋谷の読書会で取り上げなければならない。何人かの先生や学生が一緒に議論するには、現代的であり、きわめて興味深いテーマであるといえるだろう。

1111_2 窓から伺える季節の変化が興味深い。新宿を出る頃には、東京近辺では紅葉はまだまだだった。それが勝沼辺りの葡萄畑で茶色が目立つようになり、甲府を過ぎて、信州へ入る頃には、楓の赤が山々の黄色に映えるようになって来た。そして、O市へ着く頃には、空模様も影響しているのだが、紅葉に白い物がちらほら舞って来るのを見ることが出来たのだ。紅葉のまえに、雪が降るという展開は予想していなかった。いつも寄る店「バザール」の店主が、「きっと歓迎してくれたのですよ」と言ってくださったので、そうなのか、と田舎の初冬の厳しさを受け入れることにした。

1111_3 松本とO市での電車やバスへの乗り換えに時間の余裕がなかったので、松本に着いて早々に、ワインや飲み物、明日の朝食用パンなど駅前のスーパーで買い物を済ませた。これで準備万端だと思っていたが、昼食が未だだったので、松本駅で、と1111bijutukannno りめし弁当を買ったのだが、これが失敗で大糸線がほぼ満員で、とくに高校生の下校時にぶつかったので、電車の中で旅の弁当を食べる雰囲気ではなかったのだ。O市へ着いてから、蕎麦を食べることでようやく腹を満たすことが出来た。

1111_4 O市からはいつものようにコミュニティバスに乗って、山奥へと進んだのだが、いつも寄るパン屋さんへ今日も寄って見ようと途中下車した。ところが、この雪だ。外套を羽織り、持参のマフラーを首に巻き付けて、ようやく暖をとることが出来たのだった。1111_5 バスを降りて、横殴りの雪を受けていると、手足が瞬間的に麻痺して来て、緊張していた頭の中がぼやんとして来て、ちょうど良い感じだった。このまま、雪の舞う中を1時間ほど散歩した。結局、パン屋さんは休業だったのだ。

夏に入った温泉へ、身体を暖めに行く。今回も独占状態で、客はわたし一人かと思って、この写真を取っていたら、ぬっと別の客が顔を表したので、てれ隠しで言葉を交わした。1111happa 露天風呂に入っているうちに、宵闇が迫って来て、楓の葉っぱを揺らせて、水蒸気が夜の闇に消えていった。温泉からの帰りの道は、田舎の漆黒の中に消えてい1111_6 て、舞っている雪だけが目のそばで、白く光っているだけだった。近所の犬は、今日は外に出されていて、珍しく遠吠えを披露して、野生に還っていた。いよいよ、厳しい冬が来るのだな。1111_7

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。