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2013/11/18

横須賀美術館へ

1118 妻が村山槐多の画を見たいと言う。久しぶりに朝早く出て、朝日を浴びながら午前中のさわやかな三浦半島の散歩を楽しみたいと思っていたら、あまりに天気が良いので、風は強かったが、1118_2 お弁当を持って向こうで食べようということになった。子どもを連れていったときには、よく手作りのお弁当持参のピクニックを楽しんだ。とくに、裏山が緑になったと言ってはピクニック、紅葉したからと言ってはピクニックという日々もあった。年相応にたまには、夫婦でお弁当というのも悪くない。

1118_3 したがって、午前中は出かけるまで、たっぷりと時間ができ、仕事に集中して、お昼頃にゆっくり歩いて、電車に乗ると、午後の1時頃にはお弁当にありつける。自分の分のコーヒーをポットに淹れて、仕事を家に残して、京急電車に乗る。快速特急の接続が良く考えられていて、1118_4 堀之内で浦賀行きの各駅電車が待っている。馬堀海岸からバスに乗り、椰子の木の連なる海岸通を通って、走水を経由して、横須賀美術館へ着く。

この美術館で感心するのは、レストランがいつも満員であることだが、同時に、にもかかわらず、美術館の中へ入るとあまり人がいなくて、ゆっくり鑑賞できることだ。「芸術文化」の現代的あり方を素直に受け入れていて、一番景色の良いところをレストランへ提供している。だから、わたしたちのように、この前を素通りする客は、もっとも現代的じゃないということになっている。

1118_5 まずはなにより、腹ごしらえという事で、展覧会を見る前に、透明なエレベーターに乗って、ほとんど人気のない屋上を目指す。やはり思っていた通りに、風が強く、この太陽と青い空がなければ、吹き飛ばされてしまいそうだ。おにぎりのケースが風に乗って、1118_6 屋根の上を滑っていった。風の音が心地よい。右から左へ、左から右へ、タンカーや客船や漁船が行き交う。これまでの春の景色や夏の景色の霞みに隠されていた、房総半島も今日はくっきりと姿を現している。音と色彩と、味覚とをいっぺんに味わう事ができる場所なのだ。

1118_7 美術展のほうは、村山槐多の友人の山崎省三に焦点を当てた展覧会だった。村山槐多が初期に注目された「カンナと少女」が展示されていて、あの赤くぐぐっと迫ってくる描法が最初からのものだったことを、見ることが出来た。1118_8 鉛筆のデッサンも来ていて、赤くなくとも、真っ赤に骨太の黒い輪郭が見えて来てしまうという、絵画的フィクションを十分に楽しんだ。

1118_9 同時開催で、「父、若林奮」展が地下の常設展の最後に開かれていた。自分の娘の求めに応じて、自前で絵本を作ったり、物語の人形を自分で作ってしまったり、家の中のファンタジーという需要を自分で満たしてしまう事ができるのだ、という当たり前のことが、今日いかに行われていないのか、という芸術本来の気づきをもたらす点で、興味深い展示だった。1118_10 展覧会とは関係ないが、若林奮の経歴をみていたら、わたしのかなり遠い親戚H氏の名前が出て来て、このH氏からわたしの名前の一字「素」をいただいたと父から聞いていたので、その方にはたぶんお会いしていないにもかかわらず、懐かしい思いを感じたのだった。

1118y1118_11 美術館に2時間ほどいたことになる。まだ3時まえだったにもかかわらず、太陽は傾き、海の色も濃い群青色に変化してきていて、すでに日没を待っているようだった。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。