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2013/08/09

長野県の山奥からの通勤は可能か

0809_10 教材作成の研修のため、毎年O町市に滞在しているのだが、今年は田舎に落ち着いた途端に、緊急の呼び出しがあって、取るものもとりあえず、ともかく朝7時に家を出て、東京都心へ向かう。何が緊急なのかということがあるが、やはり勤めるということには、社会的義務感が付いて回るという、近代社会の基本原理に従っているのだ。

0809_2 それで、もしここから毎日都心へ通勤するとしたら可能なのか、ということもじつは試してみたかったのだ。身分は違うけれども、その昔團伊玖磨が、伊豆大島から久里浜・横須賀線を使って、都心へ出るという話を、随筆集「パイプのけむり」でよく書いていて、現在では新幹線通勤が日常的であって、0809_11 むしろ長距離通勤は労働過剰の問題になっているのだが、見方を変えれば、その昔は長距離通勤の出来るのは高等遊民の印であり、むしろ余暇の一概念として存在していた時代もあったのである。田舎に住んで、都心へ通勤という移動人間タイプの話に憧れたことがあったのを思いだした。

0809_3 それで、松本くらいならば、特急が早朝からあり、十分に午前中の会議に間に合うだろう、ということはあって、この辺の想像力はついて行ったのだが、果たしてその奥の大町でも可能なのだろうか。さらにその奥の大糸線に乗って、そしてバスも利用するとなると、朝の始発に乗って、どのくらいかかるかということになるだろう。

0809_5 もちろん、通勤なのだから、タクシーを使う訳には行かない。それから、車を運転できないというハンディキャップを抱えている。それで最速でどのくらいで都心まで到達できるか、と試してみたかったのだ。結論からすれば、朝8時の始発バスに乗って、特急に乗り、都心に着いたのが、12時半であった。時差通勤の許されるところならば、可能かもしれないけれども、9時出勤はちょっと厳しいという結果なのだ。

0809_6 さらに、今日の帰りは、会議が終わったのが、18時だったので、19時の特急に乗って帰ると、最後のO町駅に着くと、最後はタクシーを飛ばすことになった。一応、都心で6時間程度の会議をこなして、当日の内に、研修場所に帰ってくることは出来たが、かなりの時間と費用と、疲れを伴うことがわかった。團伊玖磨の場合にも、パイプの煙で紛らわすことがなければ、遠方からの通勤は難しいのだろう。でも、難しいのだからこそ、これを行いたいという人がより多くなることも、すごく理解できることだった。

0809_8 考えてみたら、都市と田舎の天秤生活という問題は、わたし自身の永遠の問題なのだ。小学校までは、田舎生活を楽しみ、基本的な生活はこちらで身につけたのだが、小学校高年から東京の都会生活に入ることになった。けれども、どちらかにどっぷりと浸かることなく、ほどよい天秤の振れ具合で、都会と田舎を行ったり来たりして来た人生だったと思う。0809_9 今日の最後に乗ったタクシーの運転手の方も田舎に戻りたいということで、実は鉄道会社に入る算段をしているのだ、と計画を語ってくれた。ちょっと夢物語的ではあったけれど、その想いはわかるような気がしたのだった。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。