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2013/06/26

京都での激しい雨

Photo_44 朝、目が覚めると、京都の雨が落ちていた。じつは、関西に泊まっているうちは、もう雨が降らないだろうと勝手に思い込んでおり、福井の宿へ傘を置いてきてしまったのだ。長さが70センチあり、大きくて雨が降り込まずに濡れることがなくて気に入っていたのだが、やはり旅行に伴うには、とりわけ快晴の日に持ち歩くには厄介であったのだ。

Photo_45 後悔している。たとえホームレスと見られようとも、もうちょっと辛抱して、傘を持ち続けるべきであったのだ。けれども、朝から雨が降ったために、外に出る機会がなく、宿での仕事が圧倒的に進んだ。ここ二三日の移動した最中に考えていたことを、残すところわずかにして、一挙に文章化することができたのだ。チェックアウトは11時なので、朝食を食べて、ゆっくりと仕事していたこともあって、思ったよりも最後チェックアウトするころには、時間が足りない状態になっていた。

Photo_46 京都の四条河原町まで、歩いて数分の距離にある場所から、雨にもかかわらず、客たちで混んでいる錦小路をきょろきょろしながら、歩く。当然ながら、外国人の数が極端に多い。外国人にとっては、このような都市の密集は懐かしいところなのに違いないのだ。外国人でなくとも、錦小路の密集は観ていても面白い。ちょっと並んでいるものを摘んでみたくなるほどだ。サバの干物が美味しそうだった。

Photo_47 11時に宿を出て、30分くらい経てば、たいていの喫茶店は開店しているだろう、と踏んで行ったのだが、お目当てのところの開店時間は12時からであった。どうしようか、と一軒先の隣りをみると、これが、皆が知る臨済宗の建仁寺の入り口だった。大きな山門の軒下を借りて、これも巨大な柱の根元に座り込む。

Photo_48 戦国時代の御上りさんたちが、行く場所がなくて、この山門に腰をかけて、日の落ちるのをまっていたのだろう、と想った。山門で雨宿りという、何となく寺町の型通りの時間を過ごした。上が開かれていて、しかも風が抜けていくので、たいへん良い雨宿りだったと思われる。観光客は必ずしも多くなく、仕事のパソコンを覗きながら、通り過ぎていった。Photo_49 かれこれ、40分ほどかかって、一章分の校正を書き直すことができたのだ。京都で、河原乞食として仕事をするとは思わなかった。

Photo_50 ようやく、12時になった。喫茶店Oは、町家を改造したものだが、通りに面している訳でないので、玄関に入るまで長い小路が続いている。隠れ家的な趣で、たいへん落ち着く。以前来たときには、固い椅子だったのだが、今回はいちばん奥に通されて、これで数時間長居する準備が整えられた。

Photo_51 藤沢周平の小説を読み始めていたので、一気に仕事を済ますことが出来るわけではなかったが、それでも、毎学期恒例となってしまった通信添削の仕事を終了させることが出来た。昨日の喫茶店Kの目の前に、本棚が並んでいて、文庫本の中に、主Photo_52 だった長編はだいたい読んでいたのだが、見逃していた「風の果て」が並んでいた。剣術道場の仲間たちがいつものように、海坂藩の中で育っていく模様がたんたんと、また事件をめぐっては激しく描かれている。教養小説の基礎を踏んでいて、しかも悪を含む行為のパターンがよく描かれている。最初の何人かの友人と疎遠になる頃まで読んで、店を出てしまったので、昨日三省堂で、この文庫本を買い求めていたのである。

Photo_53 じつは3月にここへきたときには、ほぼ満員状態だったので、混んでいるのではないかと危惧したのだが、どうやら繁華街からすこし外れているところということもあって、こんな雨の日には客が少ないらしい。

Photo_54 途中から、隣りにすわった女性二人は、えんえんと夢中になって、おしゃべりを続けていた。聞くともなしに聞こえてきたところでは、女性のゲームオタクたちだとのことで、文学部の大学院生と、派遣会社で働きいろんな趣味を持っている同級生だった。ゲームの意味について、微に入り細に入り、会話を楽しんでいて、オタク講座を聞く思いだった。

Photo_55 それであっと気がつくと、この喫茶店の開店時に入ったのだから、かれこれ4時間弱になろうとしていた。長居しました、と店の人に言ったら、雨が激しかったですからね、と答えてくださった。それで、仕事も十分にこなし、大学の業務も済んで、さらに友人たちとの会話も果たすことができたので、十分すぎる旅行をそろそろ閉じてもよいと思われた。

Photo_56 ところが、どういうわけか、また雨が強く降り出してきたので、さらに雨宿りを決めた。四条河原町あたりで、道を曲がって、久しぶりで静かさを求める点ではたいへん好きな喫茶店「S」へ寄ることにする。いくつかの反省点はあるものの、苦めのコーヒーを一杯飲んで、さあこれで、Photo_57 ほんとうにいよいよ、旅行を閉じることにしよう。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。