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2013/06/23

授業に集中する

Photo 朝食は1階の食堂で、そとの湖畔を見ながら取る。びわ湖湖畔には、いく筋かの道が平行して走っている。それで、どの筋を通るかで、ウォーキングの種類がわかる。

Photo_3 目立ちたい人は、一番水に近いところを走っている。これは多分、地元の人でなく、観光客でトレーナーの色も極めてごく彩色で、ほんとうに目立つ。夫婦連れや家族ずれが話しながら走っている。ほんとうのことをいえば、そのさらに、湖岸のところには釣りを楽しむ人びとが等間隔に位置している。けれども、魚の居そうなところを移動していくために、ちょっと見ない間に、彼らは居なくなる。

Photo_4 それから、湖岸を走るのではなく、その一筋入ったところの林の中を多くの人びとが走っている。この人びとは、部屋からは見えなかった。この1階の食堂から、ようやくわかった。けれども、湖岸を走れば、気持ちが良いものを、と考えるのは、びわ湖を知らない人びとだ。

Photo_5 じつは、日が昇ってしまうと、日陰のない湖岸はかなり暑い。帽子を被っても、これを避けることは難しい。だから、どうやら地元の人びとは日の出前の薄暗い中か、あるいは、この湖岸の林の中の道を走るのだ。長期的には、こちらが望ましいのだ。それに、地面の問題がある。湖岸は舗装されていて、走るにはちょっと固い。それに対して、林の中は土なので、この点でもお勧めらしい。

Photo_6 などと、朝からゆったりとコーヒーを飲んでから、JR膳所駅から、瀬田駅へ出る。今日は時間を合わせて来たので、授業のちょうど良い時間に着いた。駅で、学生の方と一緒になった。京都から、授業を受けにきていらっしゃったとのことだ。瀬田から草津に至る歴史に明るい方で、江戸時代の東海道と中山道をめぐるこの地域のことを話してくださった。草津には、本陣跡が残されているらしい。今度、時間を見つけて、もう一度来訪したいと思った。交通の要所には、かならず市場跡が存在するはずだ。

講義は、二日目を迎えた。夕べ寝る前にレポートを書く、という学生との約束を取り付けていた。中には、レポート用紙二枚びっしりとワープロできれいに仕上げてきた学生さんもいて、きわめて熱心な方の多いクラスであることがわかった。

Photo_7 この学習センターでは、毎回自分のサインを記すことになっている。出欠を取る、その取り方にも、学習センターごとの伝統を感ずる。近江商人の国だから、ある種の証文のような雰囲気をイメージしているのだろうか。これだけ、学生の方々の名前がずらっと並ぶと、中世の時代であれば、連判状というイメージかもしれない。

質問は極めて活発で、何人かの人びとが偏りなく、次から次へテーマが変わるごとにしてくる。マゴマゴしていると、全員の人をしゃべらせることが出来なくなるほどなので、発言のない人びとにも、こちらからしゃべる機会を作った。こちらのほうも、当てられると、自分の身近なことを例に示して、結構面白い議論が続いた。

途中の休憩で、滋賀県立大学のI先生と雑談をする機会があった。英語と宗教学を専門とする方で、コミュニケーション能力の高い先生だった。腰を痛めていたらしく、立って講義をするのが辛い、とおっしゃっていた。放送大学の講義は、二日間で11時間を超える連続講義なので、これに耐えうる身体能力を要求される。だから、ちょっと身体の調子が悪いところがあると、途中でかなりのダメージを感ずることになる。ましてや、腰を痛めると、ずっと立っていることは難しいだろう。考えてみれば、講義室で座って話すことはほとんどない。それは自然の成り行きで、しゃべる行為が立つこととセットになっているからだ。とりわけ、黒板・白板を使うことになれば、立ったり座ったりする方が煩わしいだろう。

さて、そろそろ終了の時間が迫ってきた。放送大学では、地域によって交通手段が限られているために、講義の最終時間をコントロールする必要がある。ここが通常の大学と異なっている。最後の時間を気にせずに、質問に十分応え、講義時間を超えて対応するのが大学だ、というのは基本にある。けれども、長距離から参加してきていたり、新幹線で通ってきたりする学生が居る中では、配慮は必要になってくる。

今回も、このバスを逃すと、あと数十分駅に出る手段がなく、京都・大阪から来ている学生には、ぴったりに終わる必要があった。けれども、まだまだ質問しきれない熱心な学生の方々も、8割方残っていたので、二回に分けて終了を宣言した。残った学生からはいつも恒例となった拍手を受け、今回も無事授業を終えることが出来たのだった。

Photo_9 センター所長のN先生は、S大の学長を勤められた、経済学上でも大先輩に当たる方だが、これまで話す機会がなく、失礼してきた。今回は、S大経済学部のお話をたっぷりお聞きした。この学部の特色は、土地柄から「近江商人」研究で名をあげてきたということである。わたしたちが常識的に知っている近江商人の特徴が、S大の研究のなかで形作られてきたことを知った。たとえば、「三方よし」という、有名な社会的貢献を表す言葉も、文献に載っているというよりは、造語であったらしい、など教えていただいた。いつもながら、旅に出ると、学ぶことがたいへん多い。

Photo_10 まだ、1日を終えるには、時間がすこしあったので、夜の琵琶湖を眺めながら、コーヒーを一杯。それから、わずかしか出来なかったが、通信問題の添削を済ませて就寝する。

0622_7 通信制大学の身体的厳しさを実感しながら、もちろん楽しみがない訳ではないことを確認しつつ、今日はほんとうに肉体的に耐えた1日だった。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。