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2013/04/21

今日はモーツァルトの日と決めていた

Img_7724 今日はモーツァルトの日と決めていた。東京交響楽団がミューザ川崎の定期公演で、モーツァルトの「戴冠」と「レクイエム」を演奏するというので、妻に切符をとってもらっていたのだ。

Img_7734 両方の曲ともに、100人ほどの合唱団が付いていて、それぞれのパートのソリストたちも出演していたので、このこじんまりした1階部分は、楽器部分の50名ほどと合わせて、150人規模の大きな編成のミサ曲演奏でいっぱいとなった。こうなってくると、ホール全体の中心から沸き上がってくる感じがして、生の声が映えてくる。もっとも、指揮者のスダーンは、微妙な組み合わせの音に特色のある指揮者なので、今回にもその調和の魅力が溢れていて、強弱の連続的な変化が次第に柔らかく伝わってきて素晴らしかったと思う。

Img_7744 特に、二番目のレクイエムは、わたしが田舎に住んでいた時から、悲しい場面になると必ず演奏されていて、部分的には、何回も聴いたことがある曲だ。映画の「アマデウス」でも、モーツァルトの死がまじかに迫ってきた時に、効果的に使われていたことでも、印象に残っている。

今回の演奏会では、対訳付きのパンフレットが前以て配られていたので、演奏している部分の意味を見ながら聞くことができた。身体のなかに入ってくる曲に、さらに意味上の感情が付加されていて、次第に影響が出てきて、身体が火照ってくるのを感じた。

Img_7747 有名な第三パートの第5曲、第6曲に差し掛かると、自分が年をとってきたこともあって、人生の最後に、呪われるのかそれとも祝福されるのか、という命題が突き刺さってくるのだ。書かれたもので、判定され、人生が裁かれるなどと言われると、ドキッとする。

Img_7752 それから、キリストの復活には、色々な意味があると思われるが、裁かれるために、死体という塵から蘇るのだ、というこの曲の主旨に従えば、最後に望むものは、やはり「安息」ということになるだろう。このような西洋文明の中でも、反省的で、消極的で、さらに控え目ということの意味が音楽を通して浮かび上がってくるのは、たいへん興味深かった。

Img_7753 アンコールでもう一度聴きなおしたいくらいだった。定期公演では、通常アンコールは行わないのだが、今日は何か特別だったのだろうか。モーツァルトのたいへん静かで、抑制の効いた合唱曲がかかった。あとで、入り口の表示をみると、やはり晩年に創作された「アヴェ・ヴェルム・コルプス」だった。控え目な演奏に、今日はこだわっていたことを、ここでも再確認したのだった。

Img_7758 じつは、ミューザ川崎は、4月にリニューアルオープンをしたところだったのだ。二年前の大震災の時に、この天井が落ちてしまい、内装をすべて変えたのだ。この会場では、その前に、わたしの授業科目「社会の中の芸術」の取材を行っていて、たてものの内部を借りて録画もしていたところなので、このリニューアルについては、たいへん気になっていたところだった。写真のように、綺麗に復活して、また良い音を響かせ始めたので、これからも通わせていただこうと思った。

帰りに自家焙煎の珈琲屋さんで、モカ系のブレンドとアップルパイ。これは実を凝縮したタイプのもので、たいへん美味しかった。川崎駅前の再開発が最終段階を迎えているが、結局のところ、以前からの飲屋街の密集は残っているものの、喫茶店や本屋などの、文化的な店屋は、地元資本のものが駆逐されてしまって、チェーン店系のコーヒー屋が溢れかえってしまったのでないか、と、ちょっと残念な気がするところだ。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。