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2013/01/02

現世の世界から、あの世の世界へ

0102今年の初詣もたいへんなにぎわいで、年の初めから景気が良い。参道から入り口に到達すると、昨年との違いが歴然とするので、驚いた。かつて、ここまで海であって、ここから埋めたて事業が始まったことが知られている。その記念碑として、埋立地からの揚水ポンプがここに祀られている。0102_2そして、道を挟んで、新たに手水場が建てられていて、銅ぶきの屋根が朝日に光っていた。

0102_3さらに、本堂に至る所に並んでいた、屋台がすっかり変わっていて、神社の直営店に変わっていたのだ。ずっと長く本堂の軒先に至るまで、売店が左右に並んでいて、商魂逞しいところを全面に出していて、凄かった。0102_4というよりは、わたしを含んだ参拝者たちの欲望の強さが、この現象を生み出していることは確かだ。どこも人だかりで、入る隙間もない状態だった。

0102_5絵馬も、おみくじも、御覧のとおり満載だった。それで、この神社では、マーケティングが素晴らしくて、何を望んでいるのか、を申請用紙に書かせている。0102_6ここに書かれたことが集約されて、「神様」へ送られているらしい。分類図が作られていて、わたしたちの欲望は、だいたい48種類あることになっている。0102_7


家族、仕事、健康など、わたしたちの運命はずいぶんな広がりを見せている。

焚き火にあたりながら、毎年甘酒をいただくことにしている。今年の海から吹いてくる風は強くて、火の粉が舞い上がり、歴史的にこの地が厳しかったことを思い出させている。0102_8世が世ならば、漁師たちが一年の無事を感謝し、豊漁を祈願するところだろう。ふと、顔を挙げると、厄年の年齢が並んでいて、どうやら3年ほど前から、前厄、本厄、後厄が続いて、八方塞がり状態を呈していたことがわかった。さては、昨年あれほど、具合が悪くなったもの、人生の周期が巡ってきていたのか、と理由の付いたことを率直に喜んだ。

0102_9高齢化現象というものが社会へどのような影響を与えつつあるのか、ということは、これまでも数多く指摘されてきていて、耳にタコができるくらいだ、というレベルに達すことがわかっていても、これでもかこれでもか、というくらいにまだまだ出てくる。

0102_11最初は表に現れることではなく、「風が吹けば、桶屋が儲かる」ごとくに、周り巡って影響を与えることが、続々と現れている。さて、有り難い話なので、気を楽にして、見ていただきたい。

0102_12写真の建物は、昨年までは病院だった。今年通ると、灯篭が立っていて、神社の敷地となっていた。あまりに神社の敷地が狭く、これまでも自動車で初詣にくる客には、遠慮願っていたらしい。0102_13自動車の誘導にかなりの費用がかかっていたと思われる。それで、隣地の買収となったということだろう。

0102_14牽強付会を顧みずに言うならば、高齢化によって、生きることに「神」頼みすることが増えてきたのに対して、現世的な生きることに必要である「病院」が必要ではなくなってきたということではなかろうか。

0102_15「死への欲求」と、「生への欲求」とが、逆転し始めたとまでは、言わないにしても、高齢化に現象によって、生きるための病院への需要が減ったということが作用を及ぼしていることは確かではないかと思われる。参拝者たちが皆、建物を指さしているので、とくに印象に残ったのだ。あの世から、現世に想いが引き戻されて、いよいよ今年も始まるのか、と身を引き締めた。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。