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2013/01/15

京都の生活を終えて、雪の残っている東京へ

0115朝、まだ雨が残っている。けれども、さわやかな空気が街に漂っていて、晴れになりそうな予感を抱かせる。朝に校正する原稿があって、それを終えて返事を書いていたら、どうやらそのまま何も直さない方が良い原稿だという結論に達した。

0115_2なぜよいと思えたのか、と考えてみると、たとえ自分の考えの中であっても、文脈上自分ではない部分が存在していた方がよいということがあるのだ、と思えたからだ。実際のところ、たまには、自分の文章とは何か、改めて考えてみるのもよいかもしれない。書いている部分のどこまでが、本当の自分のものなのかはわからない。今回の原稿のように、これまでの考え方をまとめたような原稿であればあるほど、このような不分明なことが出てきて当然だと思えたのだった。

0115_3午前中に、さらにもう一つ仕事があった。昼に、京都を立って、東京に戻らなければならないのだが、それは放送授業の「キャリアを考える」の打ち合わせがあるからだ。それで、ここでは数年来、W大学で考えてきたことを書こうと思ってはいるのだが、それだけでは物足りないので、少し新しいことも付け加えたいと思っていた。それで、午前中にこれまでのことを、じっくりと思い出す作業を行っていたのだ。結局、それほど進歩はないことはわかっているのだが、それでも興味深い作業が集中的にできたのは、やはり京都にきたからだろうと、転地に感謝したい気分だ。

0115_4それにしても、これほど気持ちのよい宿泊はない。これで、このホテルがなくなってしまうのだが、たいへん惜しい。ホテルがなくなることが、地元に一つの波紋をもたらしているのだが、それに対しても、無関心であるわけにはいかないだろう。一つの地域が、今後どのような発展をしていくのかは、やはり地元に住む人々が決定権を持つのだと思われる。

京都最後のコーヒーは、宿泊していたホテルから歩いて数分のところにある、自家焙煎の喫茶店「W」である。ちょうど京都大学とホテルの中間に位置していて、また叡山鉄道の元田中駅前にあるので、最後に寄るには都合のよいところだ。

0115_5シンプルな看板と品書きが、階段のしたに出されている。倉庫風のビルの二階にあって、たいへんゆったりとした玄関を持っている。また、ガラスの扉と窓が太陽をたくさん取り入れていて、開放感あふれる店内だ。エスプレッソを中心として、幅広くかつ特徴ある豆を揃えている。モカのエスプレッソを頼んだ。今はやりのフラット・ホワイトで出てきた。大学への土産も、京都銘菓などはやめにして、ここの豆を持って行くことにする。それで、ニカラグアの甘く香り高い豆を選んだ。

0115_6さて、たくさんの仕事を済ませ、ほぼ一年間の総決算の半分を行って、めでたく京都出張を終えることになった。駅前だったのでそのまま叡山鉄道で、出町柳へ出て、京阪電車の東福寺でJR奈良線へ乗り換える。0115_7反対側の電車へ乗りたいと思う欲望を抑えて、早々に仕事を目指して、新幹線のぞみへ飛び乗った。東京には、まだ昨日の大雪が残っていた。足を滑らせながら、文京の学習センターへ入った。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。