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2013/01/14

白川沿いを散歩して、図書館へ向かった

0114京都に来て、いつも不思議に思うのは、町の構成が意外に複雑であることだ。碁盤の目のように、街路が通っているので、つい見過ごしてしまうのだが、斜めに突っ切る川や、森が配置されていて、散歩をしていると、つねに新しい小径が発見され、楽しみがある。0114_2ジェイコブズが言うようなNYの「秩序だった複雑さ」とは似ている部分もあるが、またちょっと違った複雑さもある。

今日は、友人と会う約束をしていたのだが、体調を悪くしてしまったと昨日のゼミの最中に、連絡が入った。彼の書いた本を送ってもらったり、雑誌連載を読ませてもらったりしていて、話すことがたくさんあったのだが、0114_3またの機会にしよう。

ちょうどこの滞在しているホテルが、1月末に閉じることになって、これまで1週間、2週間と長い逗留ができ、徒歩で京都大学へ行くことができるので、たいへん便利に利用していたのだが、残念だ。0114_4跡地が遊戯場になるらしくて、近隣の団地・マンションには、建設反対の旗がたくさん立っていた。

0114_5このホテルから東にちょっと行くと、叡山鉄道が通っており、さらに踏切を超えて行くと、白川の流れに行き当たる。街中の小川の代表だと言ってよい、さらさらとした流れだ。そして、川に沿って、散歩道が整備されていて、それを辿っていくと、京大へ入っていくというたいへん恵まれた道なのだ。

0114_6感覚からすると、賀茂川や高野川が北から南へ流れているので、北が高く、南に向かって、平野が広がっていると考えがちである。先ほど言ったように、ここが曲者で、白川は銀閣寺辺りから高野川へ注ぐまでは、南から北へ向かって流れているのである。

白川に入ってまもなく、左手に「駒井家住宅」の生け垣が見えてくる。0114_7近江八幡のヴォーリス設計になる質素な洋館だ。白川に向かって、玄関が開かれており、裏の庭に面して、テラスを大きく取っている家だ。二階には、窓が大きく取った部屋がある。二階の書斎だろうか。全体として、白川の空間を意識して、この環境に合わせて立てられた雰囲気がある建物だ。隣近所にも古く大きな家がいくつも残されていて、街の静かな一角を現出させている。駒井先生は、ここから白川を辿って、京大へ通っていたのだ。

0114_8散歩道には、ところどころにベンチが用意されていた。ちょっと欠けていたり、座り心地が悪そうだったりしていた。残念ながら、雨が降っていたので、じっさいには座ることが出来なかった。緑色のペンキが印象的で、これに触発されて、ここを歩いているうちに、どのような発想が生れたのかを考えるだけで、満たされた気分になってくる。0114_9しばらく歩くと、左手の通りの奥に、人文研のとがった屋根がちらっと見える。ここも工事中で、残念ながら中に入ることは出来なかった。でも、相変わらず、字の読める利口な犬が徘徊しているらしい。さらに、この住宅地を抜けると、白川通りがあり、つい寄ってみたくなるような、洒落た本屋や、気楽な喫茶店が点在している。

0114_10今日は図書館が目当てなので、「S」でクロワッサンとコーヒーで、軽く昼食を済ませ、早々に図書館へ沈潜する。今日のテーマの検索を済ませ、両手一杯の20冊ほどを抱えて、テーブルへ着く。0114_11持っていった付箋が無くなったので、ふと目を上げると、すでに7時間ほどが経っていた。書架から持ってきたすべての本に目を通す頃には、自分の目の状態を確かめなければならない状態になっていた。それで読みながら、折角京都まで来ていたので、ゼミに出られない関西在住の何人かの研究指導中の学生を呼び出していたのだが、0114_12やはり最終的に連絡が取れなかった。

出町柳へ出て、美味しいコーヒーを飲みたいと、有名な「K」という自家焙煎の店を探したのだが、どうやら店が移転したらしい。0114_13痕跡はあったのだが、店はなかった。それで、すこし離れたところに、ピザの美味しそうな店「D」があったので、今日の夕飯は、ここに決める。超薄いピザが出てきた。白ワインと調和して、美味しかった。最後に、コーヒーを飲んで、一日を終えることにする。0114_14年を取ると、本を読んでも、ほんとうに目に来るのだ。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。