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2012/12/15

佐賀学習センターで面接授業

1217佐賀の放送大学学習センターは、アバンセという生涯学習の組織が総動員されたような複合的な建物の中にある。隣には、市立図書館があって、緑豊かな公園の中の恵まれた環境にある。

佐賀城の隣にある宿泊のホテルから、ゆっくりと歩いて20分くらいだった。ちょうど朝の軽い散歩の延長戦という距離だ。途中にかなり古い護国神社があり、佐賀城の外堀のような位置を閉めている。至る所に、堀のような、運河のような川が流れているのが、印象的だった。

1217_2センター所長のK先生にご挨拶をし、このアバンセについて尋ねると、この場所は、以前に大和紡績のあったところだと教えてくださった。幕末から明治期に至る佐賀の躍進の一つの中心部であったということを想像させる。

いよいよ面接授業が始まる。今回は「二つの社会転換」と題して、現代社会の経済転換と人口転換の相互作用について考えてみようと企画されたものだ。最初は思いつきで、題材がたくさんあるから、と安易に考えていたのだが、準備しているとそれらが全部うまく結びついてきて、自分の中ではかなり面白いシリーズになりそうだ、という予感がある。それで、学生の方々の反応が楽しみなのだ。来年、一年はあちこちでこの題材で回ってみようと考えていて、今日はそのシリーズの第一回目なのだ。

ホテルの新聞を読んでいたら、紙面の第一面にNTTが定年延長を図るために、「賃金カーブ」を抑制することで、労使合意がなった、と報じていた。すでに継続雇用制が実行されているので、その延長線上にあることではあるが、ちょうど高齢化社会現象と、経済制度の転換現象が当日に報道されるとは、幸先がよい。さっそく、新聞記事をダウンロードして講義で使わせていただいた。

学生の方々の経験談は、予想以上の闊達たる内容だった。面接授業の醍醐味は、ひとりひとりと面と向かって話ができる点だが、高齢化については、介護の経験、町内に子供がいなくなったこと、定年後の労働、一人住まいの体験、将来の不安などなど、講義の取っ掛かりになるような話が盛りだくさん聞けたので、こちらにとってもたいへん有益だった。

1217帰りに、事務長のYさんに教えていただいた、昭和30年代からある老舗の喫茶店「珈茗爾」へ寄って、今日を振り返る。この店は、ダッチコーヒーを暖めて出すという、他とは異なる提供をしている。このようなちょっとした工夫が、大事なのだと思う。近くに、今風のテラス付きのゆったりしたカフェもあって、競合するだろうなとは思ったが、この特色ある味で生き延びてきているのだろう。

1217_2コスタリカのダッチコーヒーは、特有のさっぱりした味を出していた。わたしの好みの酸味が程よく口に広がった。一日の講義を終えて、いっぱいの美味しいコーヒーにありつくことができるだけで、もう何もいらないという気分になってくる。

1217_3ホテルまでの距離がかなりあったが、ちょうどイルミネーションのフェスティバルを佐賀市が補助して行なっていて、その光のトンネルをたくさんくぐって帰った。非日常を楽しんだ。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。