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2012/12/08

2012年度の卒業研究発表会を行った

毎年恒例の卒研発表会を行った。今回は、放送大学本部西研究棟8階で開催され、その後懇親会もここで催された。図書館のAVホールが通常であれば使われるのだが、毎年ほかのコースとバッティングしていて、使えないのだ。司会は若手の先生方が受け持ってくださって、たんたんと時間通りに進んだ。最後まで、参加できるかどうかヤキモキさせた方も、最後のころには駆けつけて、ここが放送大学生の良いところかもしれないが、時間を忘れた、度胸の据わった演説を繰り広げた。

今年の論文については、個別にはいろいろと興味深い点があり、先生方が学生の方々と話し合ってチェックし合っていたから、これ以上云々することもない。率直に言って、全体として、今回もかなり実りあるものになった。

今年、面白かったのは、一つの特定の論文について、先生方がこぞって、強烈な反応を示したことだった。この同じ論文に対して、ある先生はたいへん褒めたが、ある先生は猛烈な反対をなさった。これほど、良きにつき悪しきにつき、注目された論文は珍しい。インパクトがかなり強かったのだと思われる。

一つには、この論文が経済学の常識を、いくつかの点で破っていることがあげられる。数ある多くの論文は、この常識を破ってしまうことがない。また、そう簡単に破ってしまっては、あとをきちんと修復できるのは、通常の論文では、至難の技だ。破ってしまったからには、それを論理的に説明できなければならないだろう。

もう一つは、その論文はほぼ過去のことを描いているのだが、それがかなりの現代性を帯びていることがあって、注目されたのだ。この点をもうすこし突いていたら、この論文と先生方の論争はかなり盛り上がっていただろう。

抽象的に行っていても始まらないことはよくわかるが、評価の絡む問題なので、正確に言うこともできない。いずれ優秀論文は、ホームページに掲載されるだろうから、そのときにぜひ当たりをつけて、どの論文なのかを想像し、それを読んで欲しいと思う。そして、できれば、卒論生の方々には、外部の雑誌への投稿にも挑戦していただきたいと考えている。

懇親会では、これも恒例となった、1人ずつの苦労話会が開かれた。いつもながら、会社に勤めながら、家族を介護をしながら・・・卒論を皆さん書いている様子が現われていて、これを聞くと、また皆論文を書きたいと心に秘める思いを新たにしたことだろう。わたしはお祝いに勝沼の白ワインを提供した。わかる人にはわかる味だと思う。卒論の味わいと同じように、仕込みがうまくいったワインは美味しいのだ。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。