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2012/09/28

不思議な磁力を感じながら

0928今から30年ほど前になるが、この写真のビルがまだまだずっと古いままのころ、向かいの三角形の地所に建っていたMビルへ通っていたことがある。9階にあったYというレジャーを研究するという余裕のある名前の研究所で、大学院のアルバイトとして勤めていた。かれこれ通算すると9年間いたことになる。大学院時代の生活費のほとんどがここのアルバイト料から出ていたから、今ではたいへん感謝している。

0928_2それで、隣の霞が関ビルには、昼食などでよく訪れていたにもかかわらず、この対岸のビルに足を踏み入れるとは思わなかった。生涯のうち、一度も入ることはないだろうな、と当時は思っていた。

0928_3ところが、今日は自分の本務の仕事で、どうしても入らなければならなくなった。もっとも、この写真のビルは、すでに博物館的な使われ方しかされていなくて、重要文化財として残っているに過ぎない。実際のビルは、そのうしろにあって、高層ビルとして建て替えられていた。

建物には、かならず表と裏があって、普通はそれが一体のビルとして存在するのだ。ところが、ここのビルは、二重構造になっていて、前のほうにある重要文化財としての「顔」としての建物、もうひとつは、実質的な「身体」の部分で実際にモノが動き、人びとが行き交う場所としての建物である。

0928_4問題は、この二重構造が、そのまま全体を表しているかのように思われてしまうことである。たとえば、古い建物の玄関を入ると、よくマスコミが記者発表するところのようなふるい階段下がある。今日も目立ちたがり屋が記者達を集めて、声を張り上げていた。

それに対して、後ろの新しいビルは、実務的で機能的な姿を見せ、きょうも静かな状態を保っている。権力がないように見せる工夫が至るところに見られるが、実際には、人びとが集まることで、権力のあることを静かに示している。0928_5ひとりひとりに権力があるわけではない。これははっきりしている。ところが、このように集まってしまうと、そこに磁場が出来てしまうのだ。今日はその磁力をたっぷりと十分に浴びたのだった。

0928_6それで終了後、ビルを出て、K大へ出講。途中、キッチン「友」のハンバーグランチを食べ、いつものサラダソースと、出汁の効いた味噌汁を味わって、さらにすこし時間があったので、「B」へ寄って、季節の珈琲を飲んで、講義室へ向かったのだ。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。