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2012/09/25

共同体はどのようにして生まれるのか

0925朝、雨が降って、すっかり夏の気候を忘れさせる穏やかな、というよりは、少し冷えるくらいの天気だ。朝から原稿に向かった。原稿の枚数は進まなかったが、方向性だけは絶えず良い方向を指し示している。何時になったら、爆発的な原稿枚数に結びつくようになるのだろうか。

午前中、集中して仕事をすると、すっかり仕事をした気分になるという楽観的な癖があって、何者も止めることが出来ない。足も座っているとむくみが出てくるので、体操を行って散らすのだが、それでも午後すこし気を紛れさせないと3時間くらいが限界だ。

それで、今日はT劇場でかかっている映画「屋根裏部屋のマリアたち」を見ることにする。フランスのドゴール時代に、スペインのフランコ独裁が続いて、自由市民や難民がパリへ避難した。そして、女性たちは、上流階級のメイドを行って、生計を立てていたのだ。

このときに、一時的にであったにしても、パリの屋根裏に共同体が育ったとしてもふしぎではないだろう。共同体意識がどのようなときに生ずるのか、というのは、今のわたしのテーマにぴったりだ。

ここで登場するのが、主人公のジャン=ルイ・シュベールだ。妻シュザンヌとパリの古い邸宅で暮らし、投資顧問会社を親の代から受け継いでいる資産家だ。この住んでいる歴史的な建物が、いろいろな余裕ある空間を持っていたり、隠れ家的なドアや階段を持っていたりして、それがほんとうに素晴らしい。母屋は2階から4階くらいなのだが、それ以上のところは屋根裏部屋として、安く貸し出されているのだ。映画の中で、まだ冷蔵庫がない時代だったので、夜は窓の外に牛乳やパンなどの入った買物袋を釣っていた。パリの一等地に、このような古いビルを持っているだけで、何となくワクワクとする。

もちろん、それは東京であっても、まったく構わないのだが、このような大都市の古い部屋に、設備はお粗末であることを予想させるが、それでもやはり住んで見たいと思う。昨年、ミラノの歴史的建物のホテルに泊まった時には、たいへん満足したのだが、同じような生活を再現しているように思える。

0925_2当然、結論は、建物じゃないんだ、人間や人間関係が重要なのだよ、というところが落ちになるのだが、それにしても、結論に至るまでに、この建物が無かったならばこの映画のほとんどは成り立たなかったに相違ないだろう。

0925_3ということで、話はハッピーエンドのメタメタのドラマなのだが、それでもフランス人的な愛の思想が、十分に入っていて、たいへん面白かった。雇用主から恋人への変化ということが、起こったとしたら、それはフランス人にとっては、どのように考えられるのだろうか。この辺で、個人主義的な愛とは違っていて、このところの理解が、やはりスペインおよびフランス的な考え方があるのだということを感じさせるものだった。やはり、男女の機微というのは、たいへん難しいものだ、ということに落ち着くのだと思われる。

0925_4帰りに、いつもの「R」によって、チーズケーキと珈琲。この今日最後の珈琲は、コロンビアだった。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。