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2012/09/14

MRI検査を経験する

0915昨日、同僚の先生がたと幕張で飲んだ。その店は、飲みにきた人に合わせて、数十種類の清酒を用意していて、言葉で表現すると、それに適した酒を一升瓶で持ってきてくれる。と言っても、わたしはそれ程の上戸ではないので、評価に使う言葉は貧困で、「辛口」とか「フルーティ」といか、せいぜい地方の名前をあげる程度である。

それで、イイとか、ワルイとかいって、ヤンヤ、ヤンヤということであるのだが、こんな単純な要望に答えるだけでも、数十種類の多様な要望に答えなければならないから、店の奥の棚では、在庫ストックが大変だと思われる。日本中のバリエーションを揃えなければならない。ワインの場合には、一瓶買取なのだが、ここではコップ一杯買取になっているので、いわば試飲を繰り返している、ということになる。気に入った瓶が見つかれば、大量消費に結びつくのだと思われる。

それで、小分けしているという点では、リスク分散されていることになり、たとえ不味い清酒であっても、確実に一杯ずつはけて行くことになるだろう。営業的に見ても、興味深いシステムを取っている。

適度にアルコールが残っている状態は、肩こりも緩和されて、良い状態であると思われる。朝はいつものような原稿締め切りの重圧からの圧迫感はなかった。

職場では、メールでアナウンスされていたように、定期健康診断の日なのだ。ところが、ちょうど持病の頭痛が激しくなってきていて、検診どころでなく、治療にいかなければならないレベルだ、と思い込むくらいだった。思い込みというのは、注意しなければならない。けれども、ここはやはり、健診よりは、治療を選んでおきたいと思ったのだ。

近くの駅から、その検査を行っている病院までは、シャトルバスが出ている。通勤客が大量に行き交うなか、陽射しを避けて、落ち延びていくかのように、田舎の中にある病院を目指す。

じつは、MRI検査を受けるのは初めてである。身体に重大な損傷や、病気になったことは何回かあったのであるが、それでもMRIを受けるほどのダメージではなかったということである。今回は、頭痛なので、脳の中をみてもらわなければならない。それでも、機械の中にはいる経験となった。個人体験としては、あまり心地よいものではなかった。何しろ、機械の音がうるさい。初めは人を試験するような、教会の鐘の音のようでもあり、許せるかとも思っていたが、その後2拍子になり、8拍子になり、ついにはダダダダという音になる頃には、裏で流れるクラシック音楽も効力をなくしてしまった。

心理学者ミルグラムの服従テストのように、慣れて惰性が働くようになると、この不快な音も、5拍子の音楽に聞こえてくるから、心理学の成果もバカにしたものではないと思った。10分足らずの検査が1時間以上に思えるのも当然ではないかと思われるのだった。

さて、医者の効用とは何かと言われれば、教員と同じで、結局のところ個人への影響をあまり行使出来るものではないということになる。けれども、他の症例を知らない患者にとっては、検査の結果を聞き、他者がどのように対応したのかを教えてもらうだけでも、すごく安心する、というのか、諦めることが出来るということだと思われる。自分の脳のスライス画面をみて、血液の流れがどのようになっているのかを観ることができるだけでも、納得できるものだと思われた。

でも、基本的には、個人への外部からの手助けがどの程度出来るのかは、「協力」の範囲を出ないということだと思われる。つまり、本人の本体の認識については、あくまで本人に属していて、それ以上の内政干渉は許されないということになるだろう。けれども、ここも「協力」ということの内容の問題だと思われるが、外部からだからこそ、協力できることが存在するということに違いないだろう。

0915_2帰りには、千葉へ出て、いつもの珈琲を一杯。検査よりも、この一杯の方が心理的には効いたのかもしれない、と言ってはいけないだろうな。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。