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2012/08/15

石窯パンの中身はモチモチだった

814_13午前中に、雲が北アルプスからおりてきていて、雲行きが怪しい。これだけ雲が掛かっていると、肌寒い感じがする。明日までの原稿の見通しが立ったので、娘の散歩に付き合う。
                              
Photo_17緑のトンネルの所々には、虫が発生するところがあって、都会で暮らしてきたものには、理解できない領分がある。ここに入ってしまうと、手痛い打撃、つまりは毒虫に刺されたような形になるので、要注意だ。それで、両手を振って、その場所だけはサッサと歩く。

814_10その昔、米国のワシントンへ初めて行った時に、人びとの街を歩くスピードの速さに驚いた。とりわけ夜になると、呼び止めることもできないほどの速さだ。ス、ス、スと、あれは虫除けだったのか、犯罪防止だったのか、速く歩かなければならないところが世界中に、いくつかあるのだ。

814_12そんなことを想って歩いていたら、タイミングを測ったように、向こうから競歩の選手が、歩いてきて、あっという間に田んぼの向こうに消えて行った。このなだらかな坂道を数キロにわたって登って行くのは、けっこうキツい運動なのではないだろうか。さて、競歩という競技も、もしかしたら、虫除けという実用的な競技だったのかもしれない。ちょっと、牽強付会でしつこかったかな。

825途中のK川は昨日の雨で、すっかり川の様子が変わっていた。水量は少なかったが、子供が泳げるほどに流れができていた。堤防からの水の流れも復活していて、ここに流れがあるだけで、世の中の精神的な温度が数度下がるだろう。814_14橋の上から、流れを見つめていたら、暇そうねという顔で、乗用車の観光客から観察されてしまった。ちょっと車の列から外れて、歩いて橋を渡り、川の流れをじっと見つめませんか。

814_25昨年から、今年に掛けて、新しい喫茶店、新しいケーキ屋さんが二軒もできた。どちらも、最初から流行りのデザインを決めていて、都会的で素晴らしいのだが、この土地にほんとうに似合うまでにどのくらいかかるだろうか。そのうち、入ってみようと思う。でも、このようなデザインを持ち込むのは、きっと地元の人ではないだろうな。

814_23目指す目的は、以前から買い続けている、天然酵母のパン屋さんだ。裏道からいけるのだ、と確信みたいのものがあったのだが、途中で右に行くところを左へ行ってしまったらしい。けれども、田舎道なので、そう通りが複雑なわけではない。脇に通っている鮮烈な小川を眺め、垣根の赤い実を写真に撮りながら、ゆったりと散歩を楽しむ。814_15このように一本幹線道路から入ってしまうと、庭からは球技に興じたり、かくれんぼを楽しんだりする子供たちが見え隠れして、都会の孤独を田舎で感じることもない。

814_16パン屋さんの店には、人が誰もいなくて、棚にあるパンを見ていると、女主人が駆けつけてきてくれた。りんごパンなどのカゴはすでに売れてしまって、空らの状態で、余り物に福がある、ということで、目をカウンターへ寄せると、何と今焼きたての石窯パンが乗っていて、どのような味がするのかわからなかったにもかかわらず、フルーツミックスの焼き込んだ、陶器の焼き物を思わせるパンを買い込んだ。814_17これが、本当に美味しかった。他のシナモン味、夏みかん味、スイートポテトパンもさることながら、これを食べてしまうと、石窯パンしか、目に入らないのではないだろうか。814_18すっかり日焼けして、笑顔の素晴らしい女主人に、また来ますと告げて店を出る。

814_19道路に出ると、なんという光線の具合だろうか、天空の街から、下界を見下ろしているかのような光景が、道越しに見えて、これは写真には収まらないとは思ったけれど、一枚パチリ。

814_20りんご園やら、蕎麦畑やらが道々に並んでいて、自然の整序を思い出させられる。食欲を刺激されながら、今日最後のコーヒーをバス停のそばにできたケーキ&喫茶店で、プリンと一緒に。都会風に、雑貨も置いてあり、東京でも見たような、青磁のうつわが展示されていた。814_21一応、経済学を学んだものにとって、近年はゼロ円の経済や、二つの価格の市場論を見てきているが、このような需要の少ないところでの磁器の価格設定について学ぶところ大であった。814_22物凄く高く設定するか、それとも、限りなく無料にしてしまうか、そのどちらかか、その両方だ。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。