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2012/06/17

20年前の感覚が、突然再び現れたら

Photo_13まだ、激しい雨が降っている。散歩はできないので、市電に乗って、鹿児島学習センターへ向かう。そとを行くバスや車が、雨で見えないほどだ。

面接授業を行っていて、今回しゃべりながら、自分が何を言おうといていたのかがようやくわかり、様々な点で参考になった。特に、自分が最終的にどのようなところに到達したいのかが、明らかになったことは、これまで予想していたものよりも現実的であり、驚くばかりであった。「格差社会と新自由主義」という講義を作って、早くも3年目を迎えようしている。

このテーマの中で、この30年間を振り返って、日本社会が分配構造を中心として、どのように変化してきたのかを後付けてみようという、壮大な授業科目だった。放送授業やテキストばかりを制作しただけにとどまらず、面接授業でも自分の中では、大きな仕事が育って行った気がする

そろそろ授業としては、まとめを行い終結を目指したいと思っていて、面接授業も来学期からは異なるテーマになる予定である。今回の鹿児島と、夏の長野学習センターの講義が終われば、めでたく頭の中では、異なるテーマに移り、それが拡大することになるだろう。

そうは言っても、重要なテーマなので、今回の面接授業でも特別丁寧に、振り返って見たのだった。聴講された学生のかたがたも、この趣旨をじゅうぶんにご理解いただいていて、30年間の自分の体験を織り込めながら、格差社会の問題、さらには、新自由主義の問題を議論してくださった。とくに今回良かったと思えるのは、ようやくこれらの底辺を流れている理論的な考え方、たとえば格差の原理原則と、さらには、現実に起こってきている事件や、統計データなどの現実に現れる事象とを対応させることができたことである。最後に、学生の方々が、どのような方向性を日本社会がにとって望ましい、と考えているかまでの聞くことができ、久しぶりにまとまった面接授業になったと思う。最後は、いつものように、拍手をいただき、無事閉じることになった。

面接授業の後、学習センター所長のN先生と事務長のO氏と、じっくりと話す機会を得ることができた。ここで、有益なお話をたくさん承ったのは言うまでもないのだが、ちょっと不思議な体験を得たのだった。

ある人と20年前に会って話をした経験があったとしよう。そこで、その話がたいへん魅力的で、その記憶が今でも蘇ってくるようなことも起こる話内容であったとしよう。これは、わたしの個人的な体験であり、そのことを今まで誰にも話したことはなかった。Photo_15講演会や議論の場では、記憶に残る話というのはありうるかもしれないが、そうではなかったので、そのまま忘れていたのだ。ところがである。20年経って、他の人と会っていて、上記のある人をご存知ですか、と尋ねられたのだ。そして、20年前に、違う内容の話であったが、このような感想を持っていました、とたいへん感動したことを告げられたのだ。

16_2人生長く生きていると、20年前に共通に思ったことが、20年後に思い出されることがあるのだ。話として、このことを聞いても、なるほどとは思わないだろう。きわめて、特別で特定で、言葉に表すことが難しい不思議な感触だった。地域の距離を超え、時間をはるかに超えて、共感が走っているのだ。余韻を楽しむために、近くの「L」という喫茶店で、ブレンドコーヒーを飲んだ。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。