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2012/06/16

天文館の宿舎から鹿児島学習センターへ向う

Photo鹿児島出張の前に、昨日から二日続きで、一日に大きな仕事を二つずつこなさなければならない状態におかれている。大きな仕事の場合には、通常午前からはじめても、午後になっても終わらないことが多い。だから、午前に終わる予定であっても、午後は開けておくことにしている。ところが、今回だけは毎日のように、このように二つずつ入ってしまったのだ。

午前中に、根を詰めたような仕事をしてしまうと、午後が持たない。それは、年を取ったせいなのだ。それで、年を取ってないと自分に言い聞かせながら、仕事をすることになる。この暗示が効いて、最終的にはすべての仕事をすっきりさせて、鹿児島へ向かうことになった。旅行に行く前になればなるほど、自由が必要だ。

Photo_2さて、豪雨の中、空港からバスで天文館まで来た。降りる時になって土砂降りの雨になった。道を聞くにも、道路を歩いている人はいない。そこで市営駐車場を見つけ、従業員の人に道を聞くと、歩いた方向性が良かったらしく、ホテルのすぐ裏手まですでにきていたことがわかり、これ以上濡れずに済んでラッキーだった。それで、昨日は黒豚と茄子の食事を取るだけで、鹿児島天文館の夜は更けた。ホテルには焼酎が並んでいる棚があり、すぐ前が酒屋さんなので、寝酒をいただく。

Photo_3今日は、この雨がまだ残っていた。豪雨はすぎたらしいが、小雨の雨雲が残っているらしい。朝の散歩を兼ねて、鹿児島学習センターを目指して、歩き始める。鹿児島中心地の「天文館」の北側商店街は、天井の白いアーケードに覆われていて、明るく新しい建物がたくさんある。中央公園を抜けて、有名な西郷隆盛像を左手に見ながら、美術館、図書館、城塞と続く道を歩く。

Photo_4雨の後の湿気がきつい。鹿児島学習センターの入っている県民交流センターに正面からはいる。こちらの構えは、パルテノン神殿をイメージさせるような、大きなつくりの近代ビルだ。あとで伺ったN先生のお話では、中には、能舞台まで作られているそうだ。

Photo_5階段から流れ落ちる雨水に混じって、桜島の火山灰が流れて、自然の模様を作っていた。あとで、学習センター教務でお世話になっているYさんと話していたら、あの豪雨でさえも、火山灰を洗い流してくれるという意味では、恵みの雨だそうだ。自然と人間の営みの相関関係について、思いを馳せた。

面接授業は、朝の10時に始まり、夕方の16時50分まで、連続2日間である。学生の方と討論や議論を挟みながらとはいえ、一日に5時間以上も、しゃべり続けるのは、体力的には年取った人の行う仕事ではない、と一般に思われがちである。

ところが、3時間がすぎる頃から、体力があまり減らないことに気づくのだ。なぜこのようなことが起こるのか、かつては不思議に思っていたのだが、面接授業でもペースというものがあって、そのクラスのペースをつかめば、それに乗って沿っていけるのだ。これも、いわば集合効果の一種ではないかと考えている。人間は年を取るに従って、コミュニケーションを食べて生きる動物なのである。

Photo_6講義の今日の分が終了したので、かねてから、待ち合わせた学生のM氏と、天文館界隈へ繰り出すことにした。M氏は、今から19年ほど前に、神奈川学習センターを卒業した学生の方で、その後、郷里の鹿児島へ帰ってきていた方だ。ブログを互いに書いているので、19年という年月は感じない。

Photo_9お昼休みに、学習センターのYさんから、料理の旨い店と、
コーヒーの美味しい店を聞いて置いたのだ。推薦に従って、天文館の電車通りから三つ目の角を曲がったところにある、湯豆腐屋さんのGへ入る。Photo_10何と創業94年という名刺までもらってしまった。老舗だ。通常は、常連の方々でいっぱいになるようだが、あまりに早くに押しかけたので、今日一番目の客となった。名物の湯豆腐は、かなりの大鍋にいっぱいで、写真のように具沢山だ。13種類の具が入っている。だから、京都風の湯豆腐を思い浮かべると、それとはまったく異なっているものが出てくる。焼酎は、小鶴という銘柄で、お湯割の場合には清酒のおかん用のアルミ缶で用意されていて、すぐ目の前で、コップいっぱいについでくれる。食が進んだ。

Photo_11話題は、「地域性」ということだった。なぜ鹿児島なのか、ということは、聞いても尽きない、いろいろの雑談を誘発するのだった。彼は、シーカヤックをやっていて、その会を活用して、海のゴミ収集ボランティアも務めているとのことだ。船といい、海といい、その土地特有の人を惹きつけるものがあり、仲間が集まる仕組みが存在していることが、「地域」ということだと解釈した。

焼酎を5杯重ねる頃には、キビナゴの串焼きも美味しいと感ずるようになって、ようやくにして、あの大鍋を空にすることができた。それにしても、入っている野菜の量が半端な量ではなかった。最後には、店も満員になり、外へ出るタイミングとなった。

Photo_12M氏と別れて、これもやはりYさんから教えてもらった、「V」というコーヒー豆屋さんでカプチーノを注文する。これが、とても良い味なのだ。コーヒー特有のチリチリする感じが出てしまっているのは、わたしの基準からすると、悪いコーヒーであり、このチリチリ感が取り除かれて、まろやかというのか、すっとしているのか、という味加減が出ていると、美味しいという基準になるのだ。この味加減が、ほんとうにうまく出ているコーヒーだと思う。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。