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2012/06/19

台風4号が通り過ぎる中、旅行と仕事に精を出す

Photo今日は予定では、鹿児島の焼酎業についての取材を行う予定で、工場見学も申し込んでいた。ところが、この4号台風である。通り過ぎてしまう可能性が高いとはいえ、その工場が錦江湾の海辺に立っていることもあって、風雨が強くなる可能性があるので、見送ることにした。

Photo_4昨日、南の雨の激しさを体験した。コーヒーを片手に持って、電車通りを渡り始めた。その時は、まだポツリポツリと落ちている程度で、傘をさすほどではなかった。真ん中ぐらいにきて、横の電車を見ていると、突然前方から何やら押し寄せてくる。みんな走り始めた。それで、通りを渡る頃には、頭から肩からぐっしょりと濡れ鼠状態だった。銀行ビルの庇に飛び込むのも、もどかしいくらいだった。もちろん、手の中のコーヒーは振動で、溢れてしまっていた。

Photo_5スコールというのは、むかしトンガへ行っていた時に、何度か経験していたが、まさか日本でこんな降りかたに出会うとは思わなかった。それにしても、今日の見学を諦めるのは、鹿児島へくることもこれからはあまりないだろうから、ほんとうに残念だと今更ながら思い始めた。けれども、昨日のミュージアムの取材では、かなりの成果が上がったので、諦めるしかないだろう。

Photo_6それで、予定を変更した分、仕事に精を出すことにした。このホテルのあるところから、資料館や図書館へは、歩いて数分の距離にある。何と恵まれた距離だろうと思いながら、石垣と堀の流れに泳ぐ鯉を見て、楽しみながら歩く。そういえば、飛行機を降りてバスに乗ると、どんと西郷さんのような人物がこちらを睨んでいて、鹿児島へきたんだな、と思ったのだが、散歩していて、西郷さんのような体つきの方々がいるわいるわ、という街であることを改めて認識した。さらには、西郷隆盛のような太った鯉を見て、鯉同士の政治も水の中ではあるのあろうか、と想像しながら、県立図書館へ入る。

Photo_8昨日のU氏の話の中で、1930年代に薩摩の製鉄遺跡を調べて歩いた人がいて、先駆的な資料があるそうで、それのコピーを手に入れる。本という装幀にはなっているが、中はガリ版刷りで、青いインクだ。ガリ版ずりの自費出版が、数十年後にみんなの注目を浴びることになるとは、本人も思っても見なかっただろう。スケッチが入っていて、イメージがはっきりする資料だ。

Photo_9U氏はこれを高く評価している。この解釈からすると、日本には、江戸期に複数の製鉄技術が存在して、すべて「たたら」という、これまでの支配的な考え方がひっくり変える可能性もあるとまで言えるのか、そうじゃないのか、これは面白い観点だと思った。U氏は、たぶんこれを読みながら、かなりの想像力を羽ばたかせたに違いない。しばし、近世から近代への数十年間の鉄事情に、想いを馳せた。ここには、鉄をめぐる職人チームが日本にはいくつか存在していて、その場所では、大きな想像力が局所的に渦巻いていたことがわかる。

Photo_10さて、いよいよ台風が近づいてきて、航空機の欠航が相次いでいる。わたしの予約した便だけが、いつまでも飛ぶよ、とシグナルを出しつづいていて、空港へいかざるを得ないな、と思い始めた。鹿児島の街も最後になるので、喫茶店を回って、時間を潰すことにする。それはそれで、たいへんな散歩となった。

Photo_11まず、入ったのは、喫茶店Mである。Yさんの推薦する中でも、とりわけ力が入っていたので、抜かすわけにはいかない。なにやら、「シロクマ」なるものが名物なのだというのだ。シロクマとは、いったい何なんだ。緑の看板が出ているから、食べ物だということはわかるのだ。

Photo_13それで入ったのは良いが、どうも男性がひとりで入るのは、なんとなく憚るような気にもなってくるのだが。まわりの人びとも注文しているので、「シロクマをください」と頼んだ。出てきたのが、写真のものである。

Photo_14写真ではわからないかもしれないが、かなり大きいどんぶりである。つまりは、かき氷である。それに、白いコンデンスミルクがかかっているところが特色だ。Photo_15このミルクのかける量が微妙なのかもしれないが、ほどよい甘さで美味しかった。量とトッピングは、自在に注文で調節できるらしい。

Photo_16まだまだ、時間はたっぷりある。近くのM、ちょっと歩いた中心部の交差点際にある、T。奥の深そうなB、そして、カプチーノの絶妙なVで、コーヒー豆を購入。

Photo_17これだけ、地元の喫茶店が栄えていると、チェーン店は片隅に追いやられている。他の都市とどこか違うのだが、チェーン店が流行らない構造が、この鹿児島には存在するらしい。そこで、時間を潰すために、Sへ入って、2時間ほど仕事をする。

Photo_18そろそろ、鹿児島を去る時間が迫ってきた。名残惜しいが、ほんとうに最後の最後に、ロールケーキと、今日最後の、さて何杯目になるのだろうか、珈琲一杯を、一番通ったことになる「L」でいただいて、天文館バス亭から、空港行きのリムジンに乗る。Photo_19ラッキーなことに、わたしの乗る便だけ、欠航を免れたらしい。けれども、やはり台風を避けたのか、乗客は少なかった。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。