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2012/04/15

「もっと広く、もっと深く、もっと一緒に」

Photo_16今日は大学院の新入生のためのオリエンテーションの日だ。 注目点は、どのようなゼミナールが今年は成立するのかな、ということに尽きる。ゼミということの不思議さは、毎年流動的であるということにとどまらず、不確実であるという点である。

ゼミナールはいうまでもなく、グループという複数の成員が伴う特徴を持っている。グループであることからして、集団特有の力学が働くことがあるということが、たいへん興味深い点である。

近年、組織を考えたいという学生が、わたしのゼミ生の中では、どういう訳か、増えてきている。そこで、共通の話題が湧き上がってきていてたいへん面白い。放送大学では、学生の個性が強いので、通常はバラバラのテーマが林立していて、共通の議論を形成することは珍しい。今回はこのような意味では、稀有のゼミである。

Photo_17「大学の窓」という広報番組が、放送大学にあることはこれまでもこの欄で伝えている。その取材が今回はわたしのゼミに回ってきた。このような新たなゼミのオリエンテーションではほとんど特色が出ないと思っていたので、遠慮したかったが、新しいメンバーを見ていると積極的な方々が集まってきているので、このような取材に応えることも、学生の方々の表現の訓練になるので、二つ返事でOKをしてしまった。テレビカメラの前ではわたしの方がよほど、訓練が必要であることがわかったのだが。これで、放映が楽しみである以上に、ゼミの展開が楽しみになってきた。

加わっていただいた先生方はたいへん熱心だった、わたしのほうはビデオ取材があったので、たいへん長く感じていたが、それが終わっても、まだお話を続けていた。また、学生のほうも熱心で、最初の自己紹介の段階で、他のゼミの展開に興味を示し、そちらへも出て見たいという方々がいらっしゃった。このような集団連鎖を呼び込むところが、放送大学らしい良いところである。

ところで、学生の方々の録画が終了して、わたしの番になって、用意してきた話をしゃべり始めたのだが、通常は2分程度の内容だから4分ていどのことを喋れば良いのだ、とおもっていたら、担当のSアナウンサーははるかに10分を超えて、質問してきたのだ。それで仕方なく、昔、昔、考えていて、お蔵入りさせていたことをしゃべる羽目になってしまった。

それは一つの標語なのだ。放送大学は「いつでも、どこでも、だれでも」というユニバーサルな教育標語を唱えてきた。これは、学則にはないものの、ほぼ放送大学関係者の間では、学校の設立理念と言っても良いくらいの認識を得てきている。

これに対抗するわけではないが、大学院もできたことだし、放送大学も高度化したのではないかと思われるようになってきている。教養に高度化は語義矛盾ではないかと、言われてしまいそうだが、それは置くとして、その場では、ちょっと説明したのち「もっと広く、もっと深く、もっと一緒に」ということで話を締めた。これで、完了したと再び思っていたのだが。

この辺は、Sアナウンサーの茶目っ気のあるところで、言外のサービス精神が手厳しく、繰り出されるのだ。「もっと広く、もっと深く」という具体的な内容は、どういうことですか、とおっしゃるのだ。そこで、さらに大風呂敷を広げることになってしまった。その結果をしゃべっている時には、ちょうどカメラが違うアングルの映像を撮りに離れたところで、残念ながら録音されずに、口がパクパクしている映像として残されることになった。さて、どのような風呂敷が広げられたのだろうか、自分のことながら、ここは録音されずに済んで良かったと、ほんとうのところ思っているのだ。たぶん、この調子だと、上記の関連ほとんどの発言はボツになっていることだろうと思う。だいたい、テレビ・ラジオの授業もすべてが入るわけではないのと、まったく同じで、しゃべったことの10%も伝わらないのだ。Sアナウンサー、「大学の窓」班、ご苦労様。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。