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2012/04/25

ランチを食べて、知識欲をも満たしてくれるような大学

今や、放送大学の特別食堂(第2食堂)となった、とわたしたちは呼んでいるのだが、中華食堂「ホイトウ」でランチ。少し早めにいったのだが、お一人がすでに食事を取ってらっしゃる。中世歴史のG先生であった。以前、岩波新書をいただいたことがある。歴史に浮かんでくる土地を訪れて、その土地を歩いて回る本で、一冊こちらが読むと、自然に時空間を旅することのできる、素敵な本だった。

それで話が弾んで、最近は講演を行うときに、その場所に由来する話を考えることにしている、という話をお始めになった。知識生産の「地産地消」ということなのでしょうか。

たとえば、ある地域で、特定の「街と山」の結びつきを歴史的に話すとしよう、と続けられた。実際には具体的な場所についてお話してくださったのだが、複数の地域に共通していることなので、記号として記しておくことにする。その「街と山」は、距離は近いのだが、しかしわたしには何の結びつきは何も無いように思えたのだが。けれども、時間を長くとって探ってみると、そこには、江戸時代からの特別な産業が育っており、さらにその製品を全国に広める、いくつかの経路が見えてきた、ということである。思わず、話に引き込まれ、こちらも知識を総動員して、お話に参加しはじめてしまった。

土地には、郷土史家がいて、詳しいことをご存知じゃないですか。というと、それも楽しみのひとつです、とおっしゃる。郷土史家は、その土地についてはよくわかった人が多い。けれども、詳しければ良いというわけではない。それを上回る自由な発想をすれば、互いに得るところがあるのだと、悠然とした構えである。

このような地域の特殊性と、全国の共通性を超えることのできるところが、歴史学の良いところだということらしい。ランチを食べに行って、食欲を満足でき、さらに知識欲を満たしてくれるところとして、放送大学周辺が存在するとしたら、五体のバランスを取ることができ、すこしは大学本来のあり方に近づけることができるのではないかと思われた。

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コメント

最近、千葉県での用立てから本部・図書館・千葉学習センターに行く事がありますが、第一食堂は旧メディア教育開発センターの昼間までしかやっていない所ですか?
ところで、中世の大学では食事を共にする事が重要視されましたが、自分の場合アスペルガーなゆえ、気付いたら人と話して食事に手をつけないか、話さず食事をしているかという事が間々あります。
1条校に用立てで行く時、学食が自分が抱いていたイメージと違いよくなっていた事に確かに学生サービスを向上させたいという大学の意図を感じます。放送大学は成立の経緯から大学に依存しないという事になっていますので学食を創るという事はないでしょう。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。