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2012/03/31

読書とは、フィルタリングだ

Photo_13読書会を催した。参加者は16名で、グループ討論するにも、結果をまとめるにも、ちょうど良い人数だった。これでも、参加者全員から発言をもらうには、時間内では難しかった。じつは、この読書会はたいへん欲張った企画だったのだ。

読書会の第一の目的は、4月から新しくできる放送大学の渋谷学習センターで始まる、「読書会形式の面接授業」の模擬実験を行って、本番に備えようということにあった。先生方にも4人ほど参加いただいての重厚な読書会となった。このなかで、読書会なので、やはり本を読んでくるという作業がどうしても、自宅で行ってくる必要のあることが痛感された。けれども、放送大学の性質上、毎日大学へ来るわけではないので、あらかじめ読んでおくことが難しい。4月からの第1回目は、すこし工夫が必要であろう。本番までには、この問題を解決して臨みたい。乞うご期待。

Photo_14第二の目的は、「電子書籍における読書」ということを考える企画だった。これは、今回のスポンサーが電子テキストについて考えることで、お金を出してくださっているので、この目的を外すことはできない。そこで、カリエールとエーコの著名な対談集である『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』を取り上げて、この中で取り上げられている「紙の書物」と「電子の書物」との比較を通じて、間接的に電子書籍について考えてみることができたと思う。電子テキストのいくつかの試みや、わたし自身の作成した電子テキストも、冒頭に紹介したが、物珍しさが先に立って、「前のめり」の感が否めない。読書会では、書物の持つ「フィルタリング(濾過)効果」について、多少なりとも議論できたのは良かったかもしれないが、ちょっと時間配分が悪く、討論までいけなかったのは反省材料となった。この点でも、4月からの読書会では、もっとおもしろい議論が出来るように工夫の余地があることがわかった。

第三の目的は、修士修了生の会である「比較地域研究会」の例会にあった。SさんやHさんが活躍して、今回初めて読書会形式を取ってみた。取り上げた論文は、貧困問題に関する計量論文であった。この点に関しては、同じレベルの知識の共有が必要で、また討論として成り立つためには、賛成派と反対派の設定が必要で、そこから議論が始まるのだ、という基本的なことを学んだ気がした。フェイスブックを利用しての「事前読書会交流」も行われて、おもしろい試みが出来たと思う。Sさんはソーシャル・リーディングの一種だとおっしゃっていた。これについても今後のOB/OG会交流で、どのような方法があるかということの課題となった。

201203311などなど、初回なので反省点はあったが、とりあえずスタートしてみてから、次第に内容を整えていきたいと考えたところだ。いずれにしても、東京圏でも遠くから、中には大阪や岐阜から駆けつけてくださった方々がいらっしゃって、たいへん感謝している。読書会が終了した後は、以前のケーキ屋さんがイタリアンの店Kに変わっていて、そこでワインをいただきながら、雑談を楽しんだ。春の嵐の雨も、家路に着く頃には、ようやく収まって明日からはまた晴れの日が続きそうである。左の写真は、Sさんが撮ったもので、フェイスブックの「比較地域研究センター」(公開)に貼り付けられたものを拝借した。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。