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2012/01/01

ガレットで今年の王様を占って、元日を祝う

Photo_5昨年の記憶の多くは、東北の震災であることは間違いない。そしてさらに、元日早々にも、東北から関東にかけて、幅広い地震があって、その記憶が蘇ってきた。朝の晴れた空のように、こころも晴れる日の来ることを望みたい。

Photo_6朝は、栗と柿でお茶をいただくのが、我が家の伝統となっている。それで、これは形式が重要で、朝になって、これを食べながら、一年の会話を通じることが、何か大切な手段であると、考えてきた。もちろん、その通りなのだが、今日はいつもと違う点があった。柿が甘く美味しいのだ。一年の最初から、欲望を抑えられないということは、恥ずかしいことだが仕方がない。今年のダイエットにとっては最悪だ。来客に残しておかねばならない分も、娘といっしょに片付けてしまった。

Photo_7それから、じつは母が高齢になって、次第に、お節料理を作るのが困難になってきていて、今年も昨年にも増して、盛んに手作りをやめたいと言っていた。ところが、暮れになって、年末に近づくにつれ、手が動き出すらしい。幸いに、わたしのほうもすこし手伝うことが面白くなってきていたので、煮物作りを手伝だった。御節こそ、よろず多様性の極致で、品数の多さが確保されていないと、お正月も詰まらないものになってしまう。風習というものはそういうものだと思っていて、ひとたびルールが大幅に変更されてしまうと駄目になるようなものなのだ。それに、家の味というものがあって、その標準を守ることは、大切な割には、やってみると難しいことがわかった。この味がなくなると、どういうことになってしまうのだろうか。

Photo_9午後には、妹夫婦が来て、屠蘇と雑煮をいただき、雑談に花が咲いた。お節を並べてみると、いつもと遜色ないところまで、品揃えは整っていた。いつもとは味の取り方は違っていたにもかかわらず、味も何とか水準を保っていた。さて、こう考えてみると、時間が経っていくことはあったとしても、味や好みは多少変わるとはいえ、お節のような伝統に沿った平常的な料理というものが、家にはあり、単に食欲を満たすだけでなく、それ以上にさらに、味の恒常性というものがあることがわかる。お節は保守的な心性を養うのだ。

Photo_10元日は、義弟のプレゼントである「ガレット」で、今年の「王様」を占ってからはじまるという、これが昨年からの習慣となりつつある。ケーキに忍び込ませ、当たった人の幸運を占うという「フェーヴ」は、今年は緑のたまたま模様の小さな陶器だったが、実際には、ケーキの中にアーモンドナッツが仕込まれている。じゃんけんをして、一切れずつとっていったのだが、結局「残り物に福がある」、という格言どおり、最後に選んだ義弟のところにナッツは入っていた。人生は、つねに豊かな結果をもたらすものだ。頭上に、王冠が光った。

Photo_11雑談をしていると、義弟の経営しているお菓子の店が、渋谷と麻布に進出するらしい。それで、近頃は大変忙しいと言っていた。じつは、わたしも放送大学の授業で渋谷進出だと告げると、偶然の一致に喜んでくれた。しかも、渋谷駅を挟んで、ちょうど東口と西口とに対峙しているところにビルがそれぞれあることがわかった。

Photo_13お正月恒例のカードゲーム大会が始まる。我が家では「どぼん」と呼ばれているゲームで、一年が明けることになっている。勝敗は時の運で、昨年の覇者が今年の最下位になることがあるのだが、例年標準的に負ける人が決まってしまうのは、どういうわけだろう。また、ゲームの終わり方に、波があって、時間が経つにしたがって、大きなうねりが起こってくるところがたいへん面白いところだ。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。